待機所で原澤ちゃんに送ってもらうのを待っていると、支度を終えた原澤ちゃんがやってきた。

「名前さん、貴女最近NG客多すぎですよ」

「だってソイツら本番無理矢理してこようとすんだもん。私悪くないじゃん」

客から苦情が入ってるわけでもないし、私悪くないのに。
でも原澤ちゃんは店の売り上げに関わるからか顔を顰めている。

「この後暇ですか?講習しに行きますよ」

「えー、桐皇行こうと思ってたんだけどなー……」

「ちゃんと講習受けたらお小遣いとして2万あげます」

「行く!」

お金貰えるなら行くに決まっている。最近は不景気なのだ。原澤ちゃん結構イケメンだし、講習受けてその上お金貰えるなんて美味しい話を蹴るわけがない。
私たちはビルの下の駐車場に停まっている車へ乗り込んでラブホに向かう。
到着したのは、あまり客が使わない高めのラブホだった。

「どうせならもう泊まって行きましょう。どの部屋がいいですか」

「どーせ寝るだけだしどこでもいいよ」

「……可愛げのない子ですね」

私は原澤ちゃんのサイフの中を心配してあげたのだ。なのにその言い草ひどい。
私は「じゃーここがいいー」と語尾にハートがつく勢いで一番高い部屋を選んでみた。
そしたら原澤ちゃんはツッコミも入れずに真顔でその部屋のボタンを押した。つまんない。


 * * *


私は自信のあるお風呂での接客をいつも通りした。
原澤ちゃんは勃っていた。これで勃たなかったら泣くよ。
今度はベッドに移っていつも客にするように甘い声を出す。

「ねぇ、いっぱい気持ちよくして?」

「……いいですよ」

私はなるべく後で客にフェラや素股をすることにしている。
先にやるとまた勃ったりしてフェラする回数が多くなるから。
原澤ちゃんは私の思惑に気付いているのか気付いていないのか、私の体を弄り始める。
原澤ちゃんの手が胸から下半身へと移動し、指を挿れたり抜いたりし始めた。

「やっ、あぁっ、もっと激しくしてぇ」

多分私の演技はAV女優顔負けだと思う。いや、AV女優には勝てないかも。
でも私のリピーター客たちは、基本的に私の反応が見たくて指名してくるから勝ってる可能性もある。
私は喘ぎながら原澤ちゃんに抱きついた。

「あっ、ねぇ挿れて欲しいけどダメだから、オモチャ使って?」

「……それじゃ本番強要する客も多くなるわけですね」

でも、オモチャ使えばオプション料も貰えるし。客みたいなジジイに挿れて欲しいわけがないしオモチャもあんま気持ちよくないからキライ。でも私はこんな演技までしてでも稼ぎたいのだ。
原澤ちゃんは溜め息を吐いたあと、唇を重ねてきた。

「今は営業時間外ですし、挿れますからね」

「えっ」

それっていいの?講習だよね?ダメだよね?私はもうちょっと手抜きすれば良かったと後悔した。



すまさんリクエストでホストパロ番外編『原澤と講習する話』
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