最近私は荒れていた。
初回荒らしして飲みまくってはキャストに無理強いして完全なる痛客になってる。
そういう感じで行った店には二度と行かないから私は困らない。
ホストもたまには大変な思いすればいいんだなんて思っちゃってるから完璧病んでるなーって自分でも思う。
この前はまったく関係ない店で大輝出してよって泣き喚いたらしい。
らしい、というのは私はまったく覚えてないから。
その店のキャストの一人が大輝と繋がりがあったっぽくて、大輝に連絡してくれて店抜け出して迎えにきてくれたらしい。そんでそのことを後から大輝から聞いた。らしいって多すぎ。
そんな日々を送りつつ、今日はなぜか大輝の家で二人仲良く(?)ゴロゴロしていた。

「お前最近どーしたんだよ」

「どーしたんだろーね……自分でもわけわかめだよ」

「しばらく酒控えたほうがいいんじゃねーの」

「ムーリー」

酒控えろとか死ねって言ってるのと一緒だよ。
私の返答は予想の範囲内だったのか気にした風でもなく大輝はタバコを吸い始めた。

「つーかウチの店くればいいじゃねーか」

「最近酒飲むとヤバいから大輝可哀想だと思って」

「早退して迎えに行ったら一緒だろうが。奢ってやるから桐皇で飲めって」

「奢りとかホント最近大輝どーしたの?」

「いやだからお前がどーしたんだって」

最近は稼いでんのかな。だから私みたいな細客奢りでもかわんないって?地味に傷付くー。
大輝は苦笑しながら私の頭を撫でた。

「最近危なっかしいから目の届くとこで飲んで欲しいんだよ」

「心配性だねー」

「……とにかく、飲みたいなら桐皇来いよ」

私は酔って記憶が吹っ飛んだときのことを覚えていない。でも大輝は色々と知ってる。私が何回も死にかけたことも何もかも、私が知らない私のことを知ってる。
どうやら私は大輝に依存しているらしい。病んだ時はどうしても大輝のそばに居たくて今まで何十回も呼び出してるっぽいし。
大輝はこんな私を面倒だと思ってるのかな。
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