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部室の隅で気配を消し、バスケ雑誌をめくっていた黒子に全員が詰め寄る。
「お前だったのかよ!」
「違います。そんな使う予定もない物を買うくらいなら小説とバニラシェイク買いますよ。同じくらいの値段になりますし」
黒子の反論し、一同は納得しかけたが、青峰が気付いた。
「なんでゴムの値段知ってんだよ。怪しくねえ?」
「確かに」
青峰の一言に赤司が頷いた。それに対し黒子が言う。
「僕だって健全な男子中学生ですし、知識くらいありますよ流石に。でも、僕じゃないとバスケに誓ってもいいです」
黒子の真っ直ぐな目に、全員は引かざるを得なかった。じゃあ誰が、と頭を悩ませる。
「何故こんな時に限って主将がいないんだ」
「今日虹村さんはご家庭の事情で学校を休んでいるんだ。確かに虹村さんならまとめてくれるだろうが、いない人を求めてもしょうがないのだよ」
嘆く副主将の赤司に緑間が寄り添う。そんな二人の会話に納得がいかなかったのか、灰崎が割り込んだ。
「おいテメーら正気か? 虹村サンいたら全員シメられてんぞ」
普段から虹村にシメられている灰崎はとても嫌そうにしている。
「先程のオレ達は冷静ではなかった。根拠なく疑うより、まずは現状を把握しよう」
キリリと言った赤司は、先程のヘタレな発言でイマイチ決まっていなかった。