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「コイツも怪しいのだよ」

 そう緑間に指を差された青峰は目を見開いた。

「ハァ!?なんでオレが。童貞ナメんじゃねえよ!」

「青峰がこういう事に興味を持ち買ったと言われても納得出来るな。童貞かそうでないかはさほど重要じゃないと思うんだが」

 青峰の否定を聞きもせず、赤司も緑間の意見に乗る。

「さっきと言ってる事ちげーじゃねえかよ!」

 赤司の掌返しに異議を唱えるも、誰も賛同してはくれなかった。

「そーだねー。峰ちん使う相手いなくても買いそー」

「ダイキだもんな」

 紫原と灰崎にまで疑念を向けられた青峰は、顔を顰める。

「お前らはオナニーでゴム使うのか? 使わねえだろ? そりゃ後処理はラクになるけどよ、ティッシュで充分じゃねーか! ヤる相手がいねえんだからオレのじゃねーよ」

 青峰の説得に納得したのは先程赤司に賛同した灰崎と紫原だった。オナニーしかしねえダイキではねェか。オナニーの為にゴム買うくらいならお菓子買った方がいいよねー。そんな二人の心無い台詞に、青峰は納得して貰えた安心感と、相手の居ないオナニー野郎の称号を得た虚無感でいっぱいになった。
 つーかよ、青峰がボソリと放った言葉に全員が耳を傾ける。

 「オレより怪しいヤツが居んだろーが」

 自分ではありませんように、まだ責められていない者の心が一つになった瞬間である。
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