二回目の中学三年生。バスケ部がギスギスしててもオレには関係ない。我関せず真面目に取り組んでいる姿勢を見せていれば問題ない。
 そんな内部崩壊なんかよりも重要な、進路について悩んでいた。石田サンはまぁいい奴だったし福田総合も今にして思えば悪くなかったが、彼女と離れるのは怖い。リョータに処女貰ってもらった。前の彼女に電話で言われた時の事を思い出した。たまに彼女から電話が掛かって来ていた。それで何かの拍子に「つーか処女とかメンドクセェ」的な事を漏らしたのがきっかけだった。

 誰かに奪われる前にオレが奪っちまえばいい。中学生に欲情なんてしねぇよ。そう思っていた頃がオレにもあった。彼女とオレの部屋でぐだぐだと過ごしているときに、ふとムラッと来ることがあったが我慢していたが。彼女に「祥吾はエッチしたくならないの?」そう聞かれてどれだけ大事にしたいかをつい説き伏せたのはそう遠くない思い出だ。まぁ結局最近は彼女の身体を毎回弄り倒しているんだが。挿入だけ我慢するオレすごくねえか。

 話が逸れたが、進路をどうするか。
 大学に行った方がいいトコロに就職出来る確率は高くなるだろう。が、大学を出て就職してたんじゃ遅い。前の彼女と同じように人生を歩んで行くとしたら、気付いたらキャバや風俗で働いてましたーってことになり兼ねない。

「お前に進路の相談してェんだけど。オレが高卒で就職すんのと大卒で就職すんのどっちがいい」

「エッわたしに聞くの?」 

「オレと結婚するお前にも決定権あんだろ」

「そういや結婚を前提に付き合ってるんだっけ」

 彼女は冗談めかしてそう言った。まて、コイツ前回の時ほどオレのこと好きじゃないとかないよな? コイツに好かれていないかもという今まで考えたこともない不安に駆られながら彼女に問いかける。

「お前、オレのこと好きじゃないのかよ」

「はぁ?大好きに決まってんでしょ。死ぬまでずっと一緒に居たいくらい」

「じゃあなんで結婚乗り気じゃねえんだよ」

「いつか祥吾がわたしを捨てるかもしれないでしょ。だから期待しない方が後で楽だなって」

 オレがここまでしているというのに、幸せに浸りきれない彼女が不憫すぎて抱きしめる。信用されてないオレも不憫だが。

「ぜってー捨てねえし、逃がす気もねえよ。このオレが真面目に部活と勉学取り組んでる時点でわかれ」

「んー、じゃあ、高卒でも大卒でもちゃんと働いてればよくない?祥吾の給料少なかったらわたしも働けばいいし。てか祥吾のやりたいようにやってよ」

「お前わかってねーな」

 彼女が働きたくて働くならいいが、前の彼女は働くのイヤーとしょっちゅう嘆いていた。今回はオレが頑張っている。専業主婦になりたいならその分オレが高給取りになれるよう頑張ればいい。オレのやりたいことなんて、リョータの隣で花嫁姿を晒す彼女を見た瞬間から一つしかない。

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