リョータと名字さん付き合ってるらしいよ。そんな噂を耳にしたのはオレが二回目の中学二年生になって半分が過ぎた頃だった。
 なんだそのデマ流したヤツぶっコロス。
 おい名字名前何処行った。そう彼女のクラスのヤツに声をかけると、リョータと何処かへ行ったと返事が帰ってきた。
 まじかよ、絶望感に支配されながらも校内を探し回る。チャイムが聞こえたが気にしてられなかった。

 結局彼女を見つけたのは30分後だった。
屋上の扉の前であぐらをかいている彼女にリョータがキャンキャンと何かを言っている。

「オイ、何してんだよ」

「あっ祥吾!どうしたの?久しぶりにサボりー?」

「なんでリョータと居んだよ」

 二回目の中学生活では、リョータとはさほど険悪な関係にはなっていない。オレも彼女との将来の為に真面目に部活をやっているし、その道具としてバスケをやっているに過ぎない。オレを抜かそうとするリョータに噛み付いている暇もなく真面目にやってるオレにリョータは懐く始末だ。

「黄瀬に部活中の祥吾の話聞き出していたー」

「ショーゴっち!アンタの彼女どーにかして!名字さんめっちゃ柄悪いんスけど!」

「アァ?オレに聞けばいいだろーが」

「祥吾一緒に居ても勉強してんじゃん?邪魔しちゃ悪いかなって。黄瀬ならサボらせても気になんないしー」

 将来彼女をリョータにとられず、自分の物にして幸せにする為嫌いだったはずの勉強を部活が終わってもしていた。オレに懐いているリョータが彼女にわざわざちょっかいかけるはずもない。そう思っていたのに暇を持て余した彼女からリョータにちょっかいかけるとは。そういや前の時も彼女の行動がきっかけでリョータと仲良くなったんだったか。

「とりあえず、二人きりで会ってんじゃねェよ」

 他の男ならば浮気でもなんでもすればいい。実際大人になった彼女は色んな男と付き合っては別れを繰り返していた。コイツにオレ以上に好きになれる男なんて現れないとわかっていた。だがリョータだけはダメだ。

「エッ祥吾やきもち?どうしよう嬉しすぎる」

「バカップルはオレを巻き込むのやめてもらってもいいッスか」

 オレは頭を抱えたくなった。
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