目が覚めた私は床で寝ていた。
そして右手は和成、左手は敦に握られて川の字で寝ている。
あー、確か後輩が目覚めて帰って親友が一人でベッドで寝始めたんだった。
壁に目をやるとまだ朝の5時。もう一眠りすることにした。
次に目が覚めると、親友と敦はいなくなっていた。私はベッドで寝ているらしい。
和成はというと、何故か部屋の掃除をしていた。
「おっ起きた?はよー」
「おはよ。敦たちは?」
「あいつらなら学校行ったぜー」
「学校か……和成は?」
「俺?サボり」
和成と話しながら上半身を起こし部屋を見渡すと、宅飲み後の惨状とは程遠い綺麗な床がそこにあった。
「こんなもんでいっかな」
そう言いながら部屋を出た和成は暫くすると戻ってきた。
そしてベッドーー私の隣へと横になった。腕を引かれ、起こしていた上半身がベッドへ倒れる。
「名前ー」
「つめたっ」
首筋に這わされた指が氷みたいに冷たくて身体を強張らせると、和成は笑った。
「手洗ってきたからな」
「ちょっとー、やめてよー」
私の言葉は無視で、和成の指は耳の裏から鎖骨までを何度も往復している。やっと手が離れたかと思ったら、冷たい手のひらが頬に添えられ、キスされた。
何度も何度も唇が重なり、いつの間にか舌が絡み合う。
唇が離れると同時に私は言葉を発した。
「っ和成、ヤんないからね」
「なんで?」
「ここ、ホナミの部屋じゃん」
「バレたら全部俺のせいにしていーから」
和成は我慢する気はないらしい。
***
和成は私の腹に出した精液やら私の股やらをティッシュで拭いている。
私は肘杖ついてそれを見ながら寝タバコ中だ。
「ヤんないっつったのに」
「乗り気だったじゃん」
「うざっ」
「ちょっとのつもりだったのに名前のせいで三回もヤッちまった」
三回でも時間的には一回分くらいの長さだったよ。和成早漏だもんププッ。ここ数ヶ月の間に何人かとヤったからわかる。そんなこと思っても口には出さない。
「あ、俺来月対バンなんだけど来る?」
「まだわかんない」
「ふーん」
和成はV系バンドをやってる。まぁ継続セッションらしいけど。
和成は高校生だから所謂リア麺だ。
バンギャとしては好きなヤツが麺とか嬉しくない。やめてほしいなんて言葉は飲み込んだ。