和成と出会って早2ヶ月。
最低だとわかっていながらも和成とは何度も体の関係を築いてしまった。
和成は遠いのにわざわざ電車でうちに泊まりにきたりしている。
ママとフレンドリーに話している和成を見てため息を溢す。私たちってなんなんだろう。体の関係だけか。
和成に「付き合ってるってことにしとけ」と言われてママには彼氏だって紹介した。けど、付き合ってるわけじゃない。
ここ二ヶ月で和成を好きになってしまっていた私の悩み事は尽きない。

「どーした?」

「ねえ、好きだよ。大好き」

「ありがと」

私の言葉に感謝の気持ち以上のものは返してくれない。
親友にちゃんと話そうとは思っても、どう話せばいいのかわからない。
こんな曖昧な関係じゃなければちゃんと話せるかもしれないのに。


***


今日は本命バンドのライブだ。
親友とは横浜駅で待ち合わせした。
親友の地元から横浜まではかなり遠いのに、私にも会いたいからとこっちでのライブも参戦してくれるらしい。
ライブまで時間を持て余している私たちはマジバでくっちゃべることにした。

「ねー、ウチ好きな人変わったんよ」

「は?え?」

親友が唐突に切り出した話題は私を動揺させるものだった。
トレーの上のポテトへと注いでいた視線を親友の顔へと移すと、親友は笑っていた。

「mixiで知り合ったオニーサンと遊ぶうちにな、先輩より好きになってたわ。んで、名前と和成先輩はどうなん?」

「は?」

「名前がどう思ってんのかは知らんけど、和成先輩めっちゃ名前のこと気に入ってるっぽいよ。口開くと名前の話題ばっか」

「えーっと、ごめん。黙っててホント悪いんだけど、私も和成好きになっちゃって」

「マジで?じゃあくっついたら教えろよ。祝うから」

「え」

「実を言うとさー、恋愛感情ってよりは憧れの先輩って感じだったんだよね。先輩意地悪じゃん?私もSだから合わないっつーか」

親友は気を使ってそう言ってくれてるのだろうか。それとも本心なんだろうか。
どちらにしても遠慮せず甘えたほうがいいよね。
ありがとうと私が笑うと、親友も満面の笑みを向けてくれた。
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