お風呂から出た私は、洗面所でダボダボのロンTを貸してもらった。
下着も洋服も、一回きたやつをお風呂あがりに着たくない。
ショーゴに着せてもらうと「服に着られてんな」なんて笑ってた。
ショーゴはグレーのスエットを着ている。
「これショーゴの?めっちゃデカイね」
「ダボダボなのが好きなんだよ」
「B系?」
「おー」
B系とか懐かしい。バンギャになってからそっち系のやつらとは疎遠になったからなぁ。
使い捨ての歯ブラシをもらい、二人で歯磨きをし終えるとショーゴに手を引かれ、居間へ戻った。ショーゴは冷蔵庫から瓶を二本持ってきている。
「スミノフでいーか?」
「スミノフって酒だよね、実は飲んだことない」
「嘘だろ」
「まじ」
芋焼酎とビールで育った私は、実はあんまオシャレっぽい酒飲んだことない。いや、多分スミノフオシャレじゃないけど。
蓋をあけたやつを手渡され、お礼を言って受け取り、一口飲んでみると衝撃を受けた。
「なにこれっ!うまっ!」
「結構うめぇよな」
「今まで飲まなかった事への後悔ハンパない」
喉乾いてたし美味しいしでゴクゴク飲んでいると、すぐに空になった。もはや一気飲みだ。ショーゴが持っている瓶も空になっている。
そのあとも焼酎のお茶割りやら色々二人で飲んでいると、また酔いが回ってくる。
「あー、やべぇ。名前、そろそろ布団行くぞ」
どうやらショーゴも酔いが回っているようだ。腕を引かれ、寝室に入る。
シングルサイズの布団が一枚敷きっぱなしで、布団の周りには洋服が散乱している。
「布団もう一組あるんだけどよ、引っ張り出すのめんどくせぇし一緒に寝んぞ」
「わかったー」
先に横になったショーゴがスペースをあけてくれたからそこに寝っ転がる。
「あー、さみぃ。お前の方がさみぃだろ。ロンT一枚だし」
「うん、寒いからショーゴにギューしてあっためてほしい」
「お前さー、こっちはウチついてからずっと我慢してんだよ。そういう可愛いこと言うなよ」
ショーゴの上半身が私のに覆いかぶさり、キスされる。最初は重なるだけだの軽いものだったのに段々と深くなる。
私は淋しいのだ。だからわざと煽るような事言った。
和成の存在は頭の隅に追いやった。