とりあえず親友宅を出て真っ先に和成へと電話した。
寝てるかとも思ったけど案外早く出た。
「和成ー」
「どーした?」
「今外なんだ」
「真夜中だぞー?」
歩きながら、親友の家に男二人がきてて宅飲みしてたこと、親友と一人の男が酔い潰れて、もう一人と一緒に起きてるのは気まずくて家を出てきたと説明する。
嘘ではない。話していないことがあるだけで。
今から行くからコンビニで待ってろと言われ、大人しくコンビニに向かう。
コンビニに着いた私は、あったかいお茶を買って外にしゃがみこんで飲みながら和成が来るのを待った。
すると、ケータイが震える。
和成指定の着うたじゃないから、目が覚めた親友かな。
折りたたみ式ケータイを開いて画面を見ると、キヨくんの名前が表示された。仕方なく通話ボタンを押す。
「お前、どこいんだよ。玄関の外で待ってっから。危ないから戻ってこい。もう今日はキスしねーし」
「大丈夫、彼氏呼び出したから」
「は?いいから戻ってこい」
「やだ」
キヨくんはまだ何か言ってたけど、そのまま電話を切った。
それから10分くらいだろうか。ちびちびとお茶を飲んでいると、原チャリに乗った和成が現れた。
和成の原チャリは初号機カラー(と和成が言っていた。調べたらエヴァの紫のやつだった。確かに細かいとこまで同じだ)で目立つ。
「来てくれてありがと」
「いーよ。つーか男と宅飲みなんて俺いない時にすんなよなー。なんもされてねえ?」
「されたって言ったらどーする?」
「え、なんかされたの」
「なんもされてないよ」
「もー。心配して損した」
一応心配はしてくれるんだ。自分の性欲処理機を触られたくないだけかなー。夜中に駆けつけてくれたにも関わらず、和成のことを信用できない自分に溜息が漏れる。
「とりあえず、ホナミが起きるまで俺が一緒にいてやるか」
「ありがと」
「名前が戻ってなんかされても困るし」
肉まんやら色々買った私たちは、近所の公園に移動し、夜が明けるまでくだらない話をした。