和成と喧嘩した。
レイナちゃんと親友と遊んだ私は、レイナちゃんに私と和成の状態をあることあること(ないことは言ってない)全て話した。
レイナちゃんはドン引きしていた。和成のカスさにドン引きしていた。それに安堵した。
全く嫌な女だと自分でも思う。

んで、レイナちゃんは和成を切ったらしい。それで私が原因だと思った和成が怒った。

「レイナに何したんだよ」

「何それ、ガールズトークしただけじゃん」

そんな言い合いをしてた私は最終的に大泣きして「もういい!バイバイ!」なんて言ってしまった。

今日から新しいバイトなのに先日の事を思い出して気分が上がらない。
和成からは連絡来ないし、新しいバイトすっぽかしてもいいんじゃないの。キャバ続けてもいいじゃん。そう思ったものの、やっと受かったんだからとバイト先に向かった。

私が受かったのは、百貨店の中にあるケーキ屋さんだ。
フレッシュジュースやクレープ、パフェやコーヒーなども売っていて、カフェスペースもある。

普通のケーキ屋よりもやる事が多い。すでに私は辞めたくなっていた。
ちなみに髪色は落ち着いたブラウンに変えた。


覚えることが沢山で頭がパンクしそうな中、やっと休憩に入り、8階にある社員食堂へとやってくる。社員食堂なんてところに来るのは初めてで、そのデカさに驚いた。
一人さみしく定食を胃に入れ食器を返却すると、社員用エレベーターに向かう途中に喫煙所を見つけた。よかった。タバコ吸えなきゃ死ぬ。
タバコを吸ってから仕事場へと戻った。


***


ここは1時間の昼休憩の他に、もう一回30分の休憩があるらしい。
夕方、休憩をもらった私は、店長に教えてもらった地下2階にある社員用カフェへとやってきた。
アイスカフェモカを頼み、喫煙席へと座る。
どうやらこっちのカフェは分煙らしい。食堂より食事メニューは少ないものの、タバコ吸いながら飲み食い出来るし明日からは食堂じゃなくてこっちこよう。


***


働き始めて一週間が経った。
私は毎日のように昼休憩と30分休憩に社員用カフェへときていた。
夕方、毎度の如くカフェモカを受け取ると、喫煙席へと座り、バッグからウォークマンを取り出しイヤホンを装着する。
タバコをふかしながら曲を聞いていると、近くで「よぉ」なんて挨拶する声が聞こえた。ここには私に気軽な挨拶をする人なんていない。
気にせずタバコを吸っていると、肩を叩かれた。
振り返ると、そこにはヤンキーっぽい男が立っていた。

「無視かよ」

「えっごめんなさい。私だと思わなくて」

イヤホンを取り、バッグにしまい込むと男は「隣いーか?」と聞いてきたので頷いた。

「一階のケーキ屋で働いてるよな?俺も同じ階で働いてんだ。ここでもフロアでもよく見かける」

「あっ、そうなんですか」

「敬語とかいーよ。俺ァ灰崎祥吾。あんたは?」

「私、苗字名前。よろしくねショーゴくん」

「呼び捨てでいーから。俺も最近働きだしてよ、知り合い全然いねーから仲良くしよーぜ」

「うん、よろしく〜」

「あ、一応店のやつらの前では君付けでよろしくな」

ショーゴは19歳だと言っていた。
私の2個か3個上か。
職場の友達第一号は、百貨店に似つかわしくないやつだった。
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