TITLE



おまけ
7



「でもほんとに無事で良かったです…ってキャプテン、あの特注のコートどうしたんです?」

「………なんの事だ」

「あら、その声はこの前の電話の子ね?」

「へ?あ…あなたは、ニコ・ロビンさん?」

「ふふ、初めまして」

「わ、初めまして、ナマエといいます!」

「…おい、ニコ屋」

「再会の邪魔をしてごめんなさいね?私も彼に興味があるものだから」

「えっ!?あ、いやあの、おれは」

「分かってるわ、あなたはトラ男くんのものだものね?」

「!?おいニコ屋!」

「そうなんですよ、だからすみません」

「ナマエ!お前も何言ってやがる!」

「つかぬことをお聞きしますけど…あの、うちのキャプテンのコートをご存知ないですか?」

「コートって…あの時着ていたコートの事かしら?」

「えっと、背中にコラソンって入ってるコートの事です!」

「…別にどうでもいいだろ」

「ダメですあれ高かったんですからね!無くしたとか言わせませんよ!」

「…少し破れてしまったのよね、トラ男くん」

「…そうだ」

「え?本当ですか?オーダーメイドなんですよあれ!少しくらいならおれ縫うんで出してください!まだありますか?」

(見せない方がいいと思うんだが)

(見せない方がいいと思うわ)

「なんで二人でコソコソしてるんです…?」

「おーいトラ男ー!って、あれ?その服、トラ男の仲間か?」

「ゲッ、麦わら屋…」

「あ、はい!仲間です!ナマエと言います!」

「ん?もしかしてお前電話の奴じゃねぇか?どうやって来たんだ!?」

「あぁ、ここで待ってました!つかぬことをお聞きしますが麦わらのルフィさん、キャプテンのコート知りませんか?」

「おいナマエ!もういいだろう!」

「トラ男のコート?ミンゴに腕ちぎられた時に着てたやつか?」

「麦わら屋!!!」

「…ルフィにも困ったものね…」

「…え?腕…?ちぎら…、え?」

「あー、ナマエ、これには深い訳が…って何だ!」

「う、腕!うで千切られ、え!?キャプテンのですか!?え!どこから!?根本から!?え!先っぽだけ!?」

「落ち着け!脱がすなやめろ!」

「怒られるかと思ったらいちゃつくのね、心配して損したわ」

「?なんだ?何してんだ?」

「ぎゃぶでん、うで、ぢぎられだんでずが!?」

「っ、あぁもう泣くな!」

「ないでまぜん!」

「…ルフィ、中に戻りましょう」

「おう!なんかよく分からねーけどトサカが肉出してくれるって!」

「あら、それは良かったわね」

「おいニコ屋!麦わら屋!置いて行くな!」

「うわあああああ!?なんですかこの縫い目跡残っちゃう!キャプテンの肌に傷跡が!」

「ハァ…うるせぇな、刺青入ってるんだから今更だろ…」

「良くない!良くないです!おれがいれば身代わりくらいにはなれたのに…ぐすっ」

「それは駄目だ」

「え?」

「……身代わりは、駄目だ」

「う、うう、キャプテン…イケメン…好き…」

「…分かったら中を手伝ってこい、この船には航海士がいないらしい」

「え!?こんなに大きい船なのにですか!?どうやってここまで来たんですか!?」

「何となくで」

「ハァ!?…ったく、ここは器用貧乏のおれの出番ですね」

「ベポの手伝いは専らお前だしな」

「キャプテン!中入りましょう!この当たりは割と晴れ続きだったんですけど少し行ったあたりはサイクロン多発地域です!」

「あぁ、分かった」

「…キャプテン」

「何だ」

「おれ、もっと強くなります、キャプテンを守れるくらい」

「……勝手にしろ」

「あと服着てください」

「お前が脱がせたんだろ鼻血を拭け」






もう寂しくなんてない







- ナノ -