番外編
もしかして可愛い?*
ディゴリーに頭を撫でられ、ユーリは最後ににこにこ手を振ってからこちらに向かってきた。
驚くべきは、ディゴリーがユーリに対するスキンシップを躊躇しないことだ。
パーバティやラベンダーは学期始め、久方ぶりの再会を喜んでお互いの頬にキスをし合うこともあるが、それはこちらの文化圏では普通のこと。
ただ、ユーリはそういう文化の中で育ってきていないのが明白だから、パーバティたちすらユーリには過剰なスキンシップをしない。
びくっとされるのは傷つくからだろう。


「ほんとに仲いいな」
「うん、わたしのお兄ちゃんみたいな人なの」


ユーリは眉を下げて笑った。
僕がディゴリーを見て嫌そうにしたのには気付かないふりをしてる。


「ホグワーツの初日から、ずーっと面倒を見てくれてて」
「そんなに前から?」
「うん」


ユーリは今度こそ、心の底からにっこりした。


「初めてのホグワーツ特急で一緒にいてくれたのもセドリックだし、とってもわかりやすい魔法辞典を譲ってくれたのもセドリック。ロンが写したわたしのレポートのいくつかは、セドリックが教えてくれたのも入ってるよ。月に一回くらい図書館で勉強を教えてもらってるから。セドリックはロンのお兄ちゃんでもあるね」


ユーリが授業中困った顔をしているときに引いている辞典の元の持ち主がディゴリーだったとは思わなかった。
そういえば、ディゴリーは僕とハリーがユーリと初めて話をして、ハグリッドのお茶会へ向かった帰り道にユーリに親しげに話しかけていた気がする。
なおもにこにこしているユーリがなんか気に入らなくて、ユーリの頭をぐしゃぐしゃに撫でてみる。
ユーリに対して激しいスキンシップはしたことない。
どんな反応をするだろう。
びくっとする?


「わっ、背が縮むからやめて!」


ユーリは肩をすくめて眉を下げた。
だけど、なぜか言葉とは裏腹に嬉しそうにしているように見える。
まるで小動物が飼い主に撫でられてるときみたいに。



もしかして、ユーリって――。



「…ロンもわたしのお兄ちゃんぶりたいの?」


ユーリは身長差のせいで自然と上目づかいに僕を見た。
無言の僕に、ユーリはふわっと笑った。


「でも、ダメだよ。ロンは手のかかる弟みたいなもので――」
「本当にデリカシーないよ!ユーリは!」


ユーリの頭の上に乗っけたままだった手に渾身の力を込めてぐいと下に押す。
ユーリは小さく悲鳴を上げて膝を折った。
僕はそのままくるっと踵を返してユーリから離れる。


ドキドキなんてしてない!



*
時間軸は四巻の九月くらい.
管理人がずっと書いてる悠莉さんの苦笑いっていうのは,他の人から見ると眉を下げて嬉しそうに笑ってるように見えるんですかね…?笑
逆ハーも好きですが,書く分にはちょっと意地悪されてるくらいが楽しい管理人です・ω・*笑
ていうか,ロンは皮肉言って鼻で笑ってるときが一番可愛い!




topしおりを挟む
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -