番外編
夢主日本時代*
子世代夢主のホグワーツ入学前の日本での生活の話@奏さま



***
「悠莉ちゃーん!とっても可愛いわ!カメラはこっちよ、ねえ!」
「…ねえ、悠莉のママ…」
「うん、どうなってるんだろうね…」


小学校の授業参観ごときで大騒ぎの母親に友人は苦笑いした。
悠莉には、背後で同級生の保護者たちに奇異の目で見られているだろう母親に振り返る勇気はない。
母親は滅多に見ない美形なばかりか、丸っきり西洋人の容姿なのでかなり人目を引いている。
カメラを構えてきゃーきゃー大はしゃぎの母親に悠莉も苦笑いするしかない。
というか教卓の先生も困っているのでやめてほしいと悠莉は思う。


「悠莉ってそんな大騒ぎするほど可愛いかあ?」


無神経な言葉を吐いたのは、最近悠莉にやたらと突っかかっている男子だ。
わざわざ悠莉と友人の話に入り込む程度には悠莉のことをなにかと気にしているらしい。


「ほんとにね」


悠莉はさらっとかわした。
からかわれたりすることには慣れている。
なんせ動物に異様に好かれる体質だ。
悠莉が飼育係をしようものなら悠莉がいない授業中も学校で飼育している鶏が大騒ぎするので、悠莉に飼育係をさせないということは学校の暗黙の了解になっていた。
だが友人は眉をつっている。


「可愛いでしょ…!つーかあんた、悠莉のママにそれ聞かれたら、張っ倒されるよ…!」


怒りながらも、背後を気にした友人はこそこそ叫んだ。
本当に、母親が彼の発言を聞こうものなら、大事になりそうだ。
美人の母親はもちろん悠莉の自慢だが、親馬鹿が過ぎるところは少々いただけない。
それにしても。


(ママ、ほんと、静かにして…)


悠莉は困って眉を下げるしかなかった。



*****
完璧にモンスターペアレント予備軍なんですけど…笑




topしおりを挟む
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -