小説 | ナノ


「結構降ってきちゃったねぇ」


「本当だ…」


「傘は一つしかないし…」


「仕方ない、梅雨だからな」


「…走ろうかな。すぐそこだし」


「何言ってるんだ、一緒に入っていけばいい」


「わたし平気だよ傘はアシリパちゃん入りな」


「だーめーだ!一緒に入ろう!」


「いや…だって…」


「なんだ、文句あるのか」


「いやそうじゃなくて……アシリパちゃん小さいから濡れちゃうよ…」


「平気だ。お前は荷物をたくさん持ってるから私が傘を持つ。ほらこうしてっ…!」


「ああそんな背伸びして疲れるよ?!じゃあ私傘持つから!ね?」


「ふんんっ…!」


「アシリパちゃん…そんな無理しなくても…!」


「へ い き だ …っ!」


(背伸び/アシリパ)