ほんの少しですが、十束流の注意事項です。びっくりするくらい好みダダ漏れで申し訳ありません。あくまで俺流なんだぜ!
・表情記号を使わない。
//や♪、(笑)は使わないようにしています。「だって……//」と書くなら、「彼女は少し言葉につまったあと、ふいとそっぽを向いた。よく見なくても頬が赤くなっている」と書いた方が、お話がちょっと長くなってお得感がありませんか? ……ないですね解ります。これは完全に好みの問題なので、書きやすい書き方のほうがいいじゃない、スタンスです。昔から記号使えなかったので、あまり使い方がわからないのであります。オンメはまだがんばってますが、オフメは白黒で文字しか入ってません。!や?もないので、もっと記号や絵文字を使えと怒られます。理不尽です。
・重複しない。
これは気をつけていてもついやってしまうのですが。しかし、もう、を多用しない。蜂蜜色、を文章中二回以上出さない、etc。どうしても好きなことばってあるんですよね……。拙宅文章で「仕方ない」を探すとざくざく出てきます。そっとみなかったことにして下さればこれ幸い。精進します。
・さらっとした文を書く。
こてこてにしたあと削るのは実はこれもあります。一文でさらっと伝えられるような技量が欲しい、という意味で、これは気を付けているというより目標ですね。目指せ、京極氏文体。ダッシュ記号を多用するのは初期京極氏の影響です。携帯獣では三点リーダも使っていますが、普段は使わないことのほうが多いです。三点リーダは便利過ぎてもにょもにょ。未熟者の言い訳なんですけれども。
・情景描写か心理描写か絞る。
その行動を書きたければ心理描写を削って、行動や情景で心理表現をする。心理表現を書きたければ、情景描写を削って心理簿描写から情景が思い浮かぶようにする、が目標です。以下は例文になります。ともに緑さん視点で同じ場面ですが、書き方が違います。
【
ぱか、ぱか。この五分間で十数回目になる開閉音を耳にして、グリーンは折り畳み式の携帯を手のひらに収めた。目尻は力を失ってゆるやかに垂れさがっていたが、ぎゅっと眉を寄せ、唇を真一文字に引き結ぶ。深く座りなおしたソファがぎしりと軋みをあげたのをきっかけにして、もう一度携帯電話を開いた。
ぱか、ぱか。液晶に、新たな通知はない。
「馬鹿にしてんのか、あの野郎」
いっそ素っ気ないほど美しいデフォルト画面の桜から、ダイニングのローテーブルに視線を移す。インド象一匹は軽々としとめられそうな殺気に満ちた目線が、一枚の名刺を捉えた。淡い水色をした私用の名刺の裏には、彼の筆跡での走り書きが残されている。】
【
ああもう煩い。何が煩いかと言えば、文明の利器と名高い小さなハイテク機器が立てる開閉音だ。だがそれを生み出している原因が自分である以上どこに文句をつけることもできない。ちくしょうと苛立ちばかりが募る。自分に対しても、奴に対しても。ちょっと気を抜いてしまえば情けなくなってしまいそうな表情を引き締めようと、眉間と頬にぐっと力を入れた。残念なことに潤みだした目元にはどうしようもなく、せめてもの抵抗にソファに深く座りなおしてみた。が、そんなことに意味がないのはグリーンが一番よく知っている。
けれど。そうもしかしたらこの瞬間にも、メールの一本くらい入ってはいないだろうか。
「馬鹿にしてんのか、あの野郎」
当然そんな奇跡が起こるはずもなく。お気に入りだったはずの桜の待ち受けが世界で一番憎める自信がつく前に、諸悪の根源に視線をやった。すべてはたった一枚の洒落た名刺、そしてその持ち主の所為なのだ。】
前者が情景や行動、後者が心理描写に絞ったものです、が、うまく表現できない……。気を付けていてもまったく反映されていなくて寂しいであります。おおう。要精進です。
・漢字の変換。
これは文章の雰囲気で合わせています。「やさしい」はひらがなの方が多いです。たとえグリーンの一人称でも「である」調にしたり、あえて難解漢字(あとで自分も読めなくなるようなもの)を使ったりもします。レッツフィーリング。
・BGMを固定する。
これは作業用BGMに関する私的なことですが、たとえば甘い話を書くならこれ! とか、ちょっとひやっこい話を書くならこの曲、とか。ある程度自分の中で決めておくとそれを聞きながらひゃっほうしやすいです。トリップあるいはトランスみたいなものってことですね! おかげでヘッドホンつけながらキーボードを叩く私には家族の誰も近づいてくれなくなりましたけどね! ……泣きたい。変ないきものを見る目で観察されますが私は元気です。BGMは大体ゲームや映画のサントラかピアノ系音楽。ヴォーカル入りはロックやアップテンポのJ−POP、最近だとボカロ系が多いです。たまに映画がBGMだったりします。音が聞こえてないと書けない、そんなへたれ書き手です。
・ハッピーエンドにする。
ヤンデレでもツンデレでもいいから、最後には幸せになれるお話を書きたいと思っています。辛い結末でも、いつかこの子は幸せになれるかもしれないという未来を残しておきたいといいますか……! お話の中でくらい幸せになったっていいと思うんだ。
つまりは絶望的にシリアスが書けないので、せめてやさしいお話を書きたいのです。
以上で文章メイキング(みたいなもの)は終了になります! 長い間お付き合い下さりありがとうございました! まったく参考にならなくて申し訳ないです。好きな作家さんをひとり見つけて、そのひとの文章を手書きで原稿用紙に写すことが上達への早道だと教えられたのですが最近お休みしているので、そろそろ魍魎の匣に取りかかりたいです。そんな締め。
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