パターンAであります! 日常にこそ萌えはある、そんなモットーであります!

1、ネタゲットだぜ!
2、分割作戦を開始する。
3、台本とは違うのだよ、台本とは。
4、弾幕薄いぞ、何やってんの!
5、権利者削除。
6、よろしい、ならば推敲だ。














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1、ネタゲットだぜ!
まずは日頃からネタを収集。ほんの日常的な事ばかりです。「雪すごいなー」「寒いなー」「あ、この缶コーヒー美味」こんな感じ。こういう日常の小さな感動を忘れずに、そっと胸の奥に仕舞い、妄想逞しく熱いパトスを迸らせております。ネタ集めの方法としては他に、連想ゲームがあります。たとえば、今日はお昼からの出勤で遅めの電車に乗った。電車を待っていると、ホームに入ってきた急行列車を見過ごして次の電車を待つ若い男性がいました。で、そこから妄想逞しく(大事なことなので二回言いました)色々と思い描くわけです。彼女待ちなのか、それとも次の電車に乗ってくるお友達と乗り合わせるのか、等など。無礼にならない程度にじろじろ御姿を拝見しつつそんなことを考えたりしています。これこそ待ち時間の有意義な使い方!(違います)他にも洗濯物の黄色いハンカチで妄想してみたり、信号機の変わるタイミングでじゃれている高校生を見ながらはぁはぁしたり。萌えは常に我々の傍に転がっているものなのです。頬が変な風に引き攣ったりして完全に不審者です。
サトシゲ「魔法使いの休日」はこのパターンです。ボジョレー解禁のニュース+フルボトル二本お買い上げの男性、の二つのネタを連想ゲームでミックスアレンジです。1つ1つは小さくても、集まればそれは(多分)立派なベッドサイドストーリー。まったりと頭の中で構想を練って寝不足になること数十回。なんとか遅刻は一回もありません。





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2、分割作戦を開始する。
起承転結なんざ気にするな、冒頭、真ん中、締めがそろってりゃあいいんだよっ!――なんて逆切れしながら、力量不足を誤魔化している私です。固めたネタだけでは書き難いことこの上ないので、ここで三つにわけます。例として、雪、寒い、ホームの男性。これら集めた日常のキーワードを元に、それっぽいワンシーンを妄想します。
例:雪がすごくて電車のダイヤが乱れ、ホームで待ちぼうけを食らっている「誰か」
このワンシーンを冒頭の導入に持ってくるのか、真ん中に持ってくるのか、最後の締めに持ってくるのか。それを考えるだけでもはぁはぁします。どこかに出かけるところなのか、それとも今から帰るのか。三つに分割した冒頭、真ん中、締め。どこに持ってくるのが一番自分の妄想にしっくりくるのか、こんなことを考えながら分割作戦です。





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3、台本とは違うのだよ、台本とは。
とかいいつつ、台本式に台詞だけ書いて後から地の文を足すこともあります。とにかく書き上げることを目標にひたすらキーボードを叩き、鉛筆の先を削り続けます。指先は荒らぶっていますが文章も荒れています。すいませんあんまり上手い事言えませんでした。
会話文を含まないモノローグの場合、とにかく書きます。文法の是非など忘れ、ただ心の赴くままに、指先の命じるままに単語を並べます。矛盾なんぞ知るかー!
先にあげた例を元に文章を組み立てると、例ではホームに待ちぼうけを食らっている「誰か」でしたが、待ちぼうけの前後を考えるのが楽しそうなのでこれを真ん中に持ってきます。ホームでぼんやりしているのが似合いそうなのは誰かと考えて、では寒さに強そうなレッドさんで。真ん中に持ってきたので締めで車内の描写が出来ますので、車内でグリーンさんと合流させてみます。
ざっくり書きます。
家を出た時から嫌な予感はしていた。だって今日は例年を上回る寒波が予想されると天気予報で言っていたし、外はとても寒かったから。
 ぼんやりホームで時間を潰しても、雪は降り止まなくて。待ってる電車も、中々来ない。
「まさか電車止まるとは……」
 ようやく滑り込んできた急行はすでに20分遅れだ。
 同じ大学の学生だろう集団でぎゅうぎゅうの車内に、嫌々ながらレッドは体を挟みこんだ。暖房が利きすぎて暑苦しい車両に、ふと意外な人影を見つける。
「あれ、グリーン」
「よ、レッド。お前も巻き込まれたクチか」
 ふわりと片手をあげた友人は、これで一講目は遅刻だなと小さく笑う。

これで完成!……嘘です。これから話を膨らませます。グリーンさんとレッドさんの関係を妄想します。幼馴染ならばどうして一緒に電車に乗っていないのか。グリーンさんは先に乗り込んできたようだけれどどこかに行っていたのか。ふたりは一講目の授業は何をとっているのか。書きながら妄想していくわけです。赤緑にはぁはぁしながら妄想します。





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4、弾幕薄いぞ、何やってんの!
さきほどは必要なところを必要な分だけ書きましたが、ここからは不必要なほど文章を増やします。地の文を入れたり、モノローグを増やしたり、私はここで動きの描写を入れることが多いです。お茶を飲んだ、鞄を持つ手が震える等。入れたい台詞が思いついたらがんがんブチ込み、結果的に話が繋がらずどうやっても無理のある場面がいくつも出来あがったりします。でもこの作業がとても楽しい。
では先ほどのざっくり文章にもっさり加減のモノローグを入れてみます。
起きた時点で嫌な予感はしていた。室内にも関わらずベッドから降りるのが億劫なほどに空気は冷え切っていて、出掛けに慌てて確認した天気予報は「今日は例年を上回る寒さになるでしょう」と言っていた。嫌々ながら自転車を漕いで駅まで向かう途中も寒くて寒くて仕方なくて、幾ら寒さに強い自分でもこんな日には家で炬燵に入っていたいと思う。(以下略)
こんな風に、「どれだけレッドさんが寒さを感じているか」の描写に冒頭を使い切り、好き放題だらだらと長ったらしく書き連ねます。また、この時点で三人称か一人称か確定させます。後になると書き直すのがめんど……もとい、大変なのです。ポケジャンルは大抵一人称ですが、三人称のほうが慣れているのでそちらで書いたりもします。真ん中の一番書きたい部分、「ホームで待ちぼうけを食らうレッドさん」のところはこれでもかというほどこってこてに修飾します。この時点でもうお腹いっぱいになるくらいまで文章を増やし、文法の是非は相変わらず忘却の彼方です。文法なぞ私の辞書には存在しないのだよ。





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5、権利者削除。
文章が増えた所で、その文章を削り取る作業に入ります! ひゃっほう! これはノルマをつけるとやりやすいです。ワード二枚に収める、携帯○○字数をオーバーしない等、その時々に合わせて変えていますが、概ね40字×36行で一枚半から二枚を目安にしています。4の段階で増やした文をどうしてまた減らすのかといえば、全体のテンポを揃える為です。4の文章をそのまま推敲に入れる場合もあります、「落日」は文章を増やしたままで推敲に入りました。推敲は文法を確認したり、句読点の位置をずらしたり、誤字脱字の訂正等です。5の段階を踏む場合は思い切り、心ゆくまで削り続けます。
冒頭丸ごとカット。
むしろ登場人物リストラ。
いっそ半分消去。
ええい持ってけ死神―!(ファイルを消去)
最後はやり過ぎですが、トランス状態に入ってくるとままあることです。おかげでゴミ箱には書き損ねのワードファイルが(省略)。それはおいといて、修飾した文を削りながら少しずつバランスをとります。単語を連ねてある場所を書き変え、別の言いまわしを考える作業が楽しくなってきたら頃合いです。5の段階では全体的な文章の調整をして、がしがし削り終わったら推敲へ入ります。





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6、よろしい、ならば推敲だ。
先に書いたように推敲は文法の確認や言葉の確認が主です。た、る、で終わる述語を名詞で止めてみる等、色々と遊べるのもこの段階です。この段階でもう一度頭から通しで三回ほど読み直し羞恥プレイを味わいます。しかし誤字脱字が中々減らない現状はこれ如何に。


これがパターンAの書き方です。パターンAでは書きたいシチュエーションからキャラクターを選択するという体裁をとっています。パターンBはその逆、キャラクターからシチュエーションを考える場合です。


パターンB!





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