あれから私は白竜くんの雷門中への入学手続きを済ませるべく知り合いの秋さんに音無先生を通して手続きをしてもらった。 学校側も大歓迎のようだった。まぁ、それもそうか。白竜くんのような一流プレーヤー、サッカー名門校の雷門中からして見れば喉から手が出るくらい欲しい生徒に違いない。 「白竜くん、雷門に通えるようになったよ」 「本当か!!いろいろ手間をかけさせてしまってすまないな」 「ううん、いいよこれくらい。私なんかより秋さんにお礼言わなくちゃ」 「秋さん…?」 「ああ、ここの近くのアパートの大家さん。とても優しくて気が利くお姉さんなの。秋さんのアパートに前話した親元離れて暮らしてる雷門生の子いるんだよ?」 「ほう、そうなのか…」 ついに俺も晴れて雷門中に通えるのか。雷門といえば何と言っても剣城だ。サッカー部に入部し、あの剣城と共に練習ができる日もそう遠くない。 俺は明日からの登校に備えてノートやシャーペンなどの必要な物を揃えてエナメルバックへ詰め込んだ。制服や鞄は明日、直接受けとる予定になっている。 明日から学校だから早く寝たら?と名前に促されそのままベッドへ入った。 中学へ通うのは初めてだから少し緊張するな。緊張だなんてらしくない……。だが剣城や天馬といったサッカー部の奴等がいると考えれば少しは楽になった。 そのまま俺は眠りについた。 「おはよう、名前」 「おはよう。昨日は良く眠れた?」 「あぁ、大丈夫だ。心配ない」 翌朝起きると名前はもう朝食の準備を済ませていた。食卓にはトースト、サラダにハムエッグ…そしてオレンジジュース。なかなかバランスが取れているな。 朝食を済ませ、いつもの灰色のシャツに白いパンツとジャケットを着て、名前が作ってくれた手作り弁当を鞄に入れ、履き慣れた茶色のブーツに足入れる。 「お弁当、量多目にしといたよ?もし足りなかったら言ってね」 「ああ、楽しみにしてるよ」 なんだかこんなやり取りしていると夫婦みたいで恥ずかしい。鞄のショルダーを肩にかけ行ってくると言って白竜くんは出ていった。 無事に友達出来るといいんだけど……。 夜、たくさん話を聞こう。 #初めての登校 |