金曜日、一週間の学校も終わり帰宅すると家でごろごろとくつろぐ。
部活も入ってないし、両親は海外出張で私は一人暮らし。だから本当に毎日がフリーダム。自由だ。
毎週同じ様にテレビをつけてソファにダイブ!
するとピンポーンとインターホンの音が響いた。
宅急便だろうと思いドアを開いてみると、
するとそこには大きなカバンを持った白い髪の少年が立っていた。

「な、何か用でも?」

「俺は今日から世話になる白竜だ」

「は…?」


目の前の少年は何を言ってるんだ。今日から世話になる…?ってことは泊まる、いや、暮らすってことなの?ちょっと待ってよ人違いじゃないの。私何も心当たりない。


「人違いとかだったりしないかな…?」

「いや、メモには確かにここの住所が書いてあるんだが…」

「え…、本当に何なの。わけが分からないんだけど…はい、もしもし」


少年が手に持っていたメモに書かれていたのは紛れもなく私の部屋の住所。
どうしようか悩んでいたところに友人から電話がかかってきた。

「ねぇ、今そっちに白い少年来た?」

「現在進行形で私の前にいるよ」

「その子ね、白竜くんって言うんだけど今日からその子のことよろしく頼むね。あ、もちろん生活費はこちらから出すから。名前しか頼める人がいないの。そういうことだからよろしくね!じゃあね!」

「え、ちょっと待ってよ!そんな話聞いてない!!」

電話の主は私の友達である夕香ちゃんであった。彼女はマシンガントークで一気に話し終わるとこちらの話を聞くこともなく電話を切った。


「俺がいたら駄目なのか…っ!」


な、なんか顔真っ赤にして目も少しうるうるしてるんだけどこの子。
どうしよう…。

「白竜くん、だっけ?他にあてはないの?」

「無いからお前のところに来たんだろ」


なんかちょっとムカつく口調で話すなコイツ…。さっきのうるうる少年はどこいった。
それにしても他に無いのか…。


「私自身、よく話飲み込めてないんだけど。よかったら泊まる…?」

「お前がどうしてもって言うんなら泊まってやらないこともない」

「どうしてもとは言ってないんで、じゃあ他をあたってくだ「泊まる!泊まらせてくれ!!」…仕方ないなぁ」


白竜くん、上からもの言うタイプなのね。
ちょっとカチンとくることもあったけど仕方ない。
泊めてあげよう…。
どうせ私は一人暮らしだし。一緒に住む人がいたら少しは賑やかになるかな。


「よろしくね、白竜くん」

「ふんっ…」


あ、やっぱりちょっとムカつくわこの子。




♯金曜日と白い少年