うちの家系は少々複雑だ。

実家が少々名の知れた神社なのだが、なんでも私の祖先には"未来からやってきた人"がいるらしい。その人が神社に嫁いで以来、繁栄し出したとか。
本来の意味とは異なるけど、その祖先様は審神者という、付喪神を降ろす能力があった。それが個性なのかどうかは分からないと聞いたことがある。なんで分からないのか、私は分からないけど。
ただ、母方がその家系なのだけど、その審神者さん以降、神様に纏わる個性をうちは代々受け継いできた。そのお陰で神社が営めている。そしてそれは私も例外ではなかった。けど一つお母さんやお婆ちゃんと違うのは、私がその審神者さんの能力と殆ど同じ個性だということ。付喪神が宿るような、神や心の込められた数百年ものであれば降ろすことができる。

しかし一つおかしな点がある。
私は一度降ろしたことのある付喪神は条件さえ合えば本体が無くても降ろせるのだが──父は名前と姿さえ分かれば人を自由に呼び出せる個性だったので多分それも合わさってる──よく頭の中に、降ろした覚えのない、恐らく付喪神であろう神様の姿と名前が浮かぶのだ。
詳しく言うと姿と名前だけじゃなく太刀や短刀など、憑いてる物の名前も浮かんでくる。しかもお花の中に「太」や「短」の字が書いてあるマークのようなもので浮かんでくるんだが、神様によって銀色だったり黒だったり、はたまた金ぴかだったりする。ゲームとかの観点で見るとレア度とかなんだろうけど、私からしたら危険度だ。幼い頃、何も分からずに金ぴかマークの付喪神を呼び出した私はそりゃもう恐ろしい思いをした。もう二度と呼び出すもんかと思うほどのトラウマものである。思い出しただけで動悸が激しくなってきた。アッ激しい!

お父さん曰く、もしかしたら祖先の審神者さんの記憶が受け継がれてるのではないかとのこと。
けれど頭の中に浮かぶ付喪神達は日本刀ばかり。祖先様はなんで日本刀の付喪神ばかり降ろしていたんだろうか。理由は闇の中、というやつだ。


そんな私だが、晴れて本日から雄英高校ヒーロー科に進学である。


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