コラボ夢小説 後編


※中編の続き。



パンドラのスパダリ力は53万です。
(御身、エーベル、エリー、パンドラ)

葬儀での正装に着替えたアインズとアルベドは第九階層に特設された斎場へとやって来て──。和装の喪服着るアレクサンドルとカーリィナと合流している、抜群のスタイルの良さが引き立つ漆黒のロングドレス、濡れたような艶のある腰まで伸びる黒檀の長い髪は緩くポニーテールにしてチラリと見える白いうなじに視線が誘われる。切れ長で吸い込まれそうな深い、鮮やかな紫の瞳。ぷっくり瑞々しい唇が紅いルージュに彩られ。義姉のその類稀な美貌にいつもなら大歓声を上げ、傍らで聞いてるこっちが胸やけ起こして砂糖の滝を吐き出すキザな賛辞を贈るシーンに。己が黒歴史こと、パンドラズ・アクターの姿が見当たらないことに疑問符が浮かび──黒色にドレスコードを統一する集まりのなか ひと際注目浴びるエーベルの元へ歩み寄り

「エーベルさん、あれ?パンドラは‥一緒じゃないんですか?──、そっそれにしても‥‥‥アレクサンドルと、カーリィナ‥その着物はエリーさんが作った、のか?(ヤの付く職業の人みたい‥っ!!)」

巨漢マッチョに、迫力ある美人が真っ黒い着物着ると凄い圧を感じる──ッ!!
心の冷や汗流しまくるアインズをよそに、和気あいあいと和服を絶賛するエーベルは会場に姿を現していないエリーから前もって連絡を受けており、もうすぐ来るよー!と答える。

「おまたせ〜!」
『あっ来た来たー!どうしたの2人でどっか行って──‥‥て??』

宝物殿に着いてすぐパンドラを連れて去ったエリーを待つ間、先に受付会場に来ていたエーベルは後ろから呼び声かかり、振り向いて 目をまん丸にして固まる。

──いつも見ている黄色い軍服とは違う、袖や裾の端が赤色に縁取られ全身が黒いカラーリングに染まる──格闘ゲームで言うところ。2Pカラーに様変わりした裏地が赤い黒マントを翻し、細長い四本指の手で軍帽を持ち。流し目でエーベルに熱い視線を向けるパンドラがそこに居た。

左胸を押さえて心拍停止するくらい胸キュン・クリティカルヒットを直接くらうエーベルの横で。骨剥き出しの顎が外れる程、大口開いて厨二病曝す息子に衝撃で内なるモモンガ本体の魂が抜けるアインズ。

─エーベルに突然のサプライズが襲うッ!サプライーズ☆思わぬ流れ弾に当たってしまったアインズ様、心中お察し致します…(合掌)─


大量砂糖製造機ご夫婦。
(エーベル、パンドラ、エリー、御身)

『きゃー!!パっパパパンドラの黒軍服ー!!!超絶格好よオオオ!!てぇてぇ‥ッ黒軍服パンドラてぇてぇ‥‥!!はあーっもう無理‥!っエロカッコいいいい(感涙)死んじゃう?私死んじゃう?!』
「あぁッ!そんなっ死んではなりませんエーベル様!!?お気を確かにッ!(予想を遥かに上回る破壊力!?)しかし‥‥こんなにも愛する妻が喜んで頂けて、夫である私も本望でございます‥‥!さ。もっと近くで見て下さい‥貴女様が大好きな夫の姿を」
『パ、 っパンドラ‥‥(やだカッコいい!)』

抱き締め合う2人の周りに花が咲き乱れ、キラキラ光る星のエフェクトやら飛び交うハートマークを幻視する。少女漫画風にタッチが変わる万年新婚夫婦を生暖かい目で見守るエリーは、無事一仕事終えられてほっと胸を撫で下ろす。

「いやぁいい仕事したわぁ〜」
「(アンタの仕業かー!!)何してくれてんですかエリーさん!!?あああのパンドラの黒軍服作ったの貴女あ?!」
「YES(サムズアップ!)冠婚葬祭用に喪服がないってパンドラに相談受けて、それならエーベルさんが喜びそうな黒軍服でも作ろうかーって話しが盛り上がってー。シャルティアの、今日やる生前葬?までに間に合ってよかったですわぁ」
(プロによる犯行!!)

まだエリーにはパンドラズ・アクター(黒歴史)が己の息子と明かしておらず。恥ずかしい厨二病患っていた過去の自分を何がなんでも秘密にしておきたいアインズはこれ以上何も言えず、沈静化が何度も起きる。

少女漫画の世界から戻り、エーベルはエリーに感謝のハグをしてパンドラが着ている黒軍服の素敵ポイントを1つずつ上げて熱く議論を交わす──次いでにエリーは、懐から取り出した黒軍服の幾つかサンプルデッサンの他に、エーベル用にも考案した軍服のデザイン資料を手渡し。気に入ったものがあればお揃いコーデで作りますよ。とお互いほぼ同時にサムズアップ決める!

─黒軍服カッコいいからね、仕方ないね。そして今日も砂糖を大量に製造する糖分過剰系万年新婚夫婦─


閑話休題。
(御身、エリー)

再び至近距離で見詰め合いイチャイチャし出す万年新婚夫婦。幸せ絶頂継続中のお2人から邪魔にならないよう離れ、重い溜め息吐くアインズに悪気ゼロでピースサイン向けるエリー。
(いや。ピースっ!ッじゃないですよ!)手の甲で空を叩くツッコミ入れるアインズは。ふと 普通の喪服フォーマルドレス着るエリーに何気なく質問投げかける

「あれ?エリーさんは着物じゃないんですか‥?」
「ああー‥‥‥おしゃれ着は洋装のほうがいい、着替えるのが楽だしね。それに──顔がすこぶる美人な我が子と並んだら見劣りしちゃうから。──ファッションショーとかで最後を飾る、体型が超細い綺麗なモデルさんの横並ばなきゃならない、大御所トップ・デザイナーのように在りたい‥!」
「何その自信ありそうでメディアに出たくないネガティブ思考‥!?」

─そんなエリーちゃんが好きです(突然の告白)─


ドレスコードとは。
(デミ、御身、カーリィナ、アウラ)

「おや?これはこれは──御方々ではありませんか」
「デミウルゴス、お前も来ていたのか」

黒い喪服スーツに身を包むデミウルゴスが、シャルティアの遺影の前で 挨拶交わすという。なんともシュールな光景。参加者が続々と斎場内に集まってくる。
銀のプレートに包んだ尻尾が真上にピンと立ちゆらゆら揺れ、エリーに歩み寄ろうとするデミウルゴスの額目掛け、凄く痛そう鈍い音を立てて頭突きかまし。メンチ切るカーリィナが絶対零度の笑み向ける。

「ご機嫌麗しゅう御座いますデミウルゴス様‥っ!御息災でしたか‥!!」
「やぁ‥!君も、元気そうだねぇカーリィナ‥‥!」

お互い目が笑っていない水面下の攻防に(ひぇぇ‥!)と恐怖で骨の身が凍るアインズ。
ちなみに争いの元凶となっているエリー本人は。カーリィナとデミウルゴスがなんで仲悪そうなのか?マジなところ気づいてない。恋愛に関して超鈍感だから!

今回の謎イベントを主催したシャルティアが主君であるアインズにエーベル、更にナザリック外に拠点を持つエリクシールにも招待状を送りつけていた事を察したアウラは、慌てて注意を促す。

「ろくでもない集会だったら即座にお帰りくださいね!!」
(人によってこの会の受け取り方が全然違うな‥‥)

最後に集合したコキュートスは普段と変わりない外皮鎧の格好──何でも喪服を持ち合わせていなかった為 受付に時間が掛かってしまったとの事。
故人(シャルティア本人)の意向で『喪服または"全裸"ならOK』になったそう

「ほらやっぱりロクでもないパーリナイですよ!!お逃げくださいッ!!」
(パーリナイ??)

─(パンドラを眺めつつ)黒軍服はドレスコード的にOKですか?─


はよ籍入れろ。
(シャルティア、アルベド、エリー、デミ、エーベル、パンドラ、御身)

アンデッドの葬式というパワーワード。混沌極まる生前葬が始まり───

元気良く笑顔で入場してきた喪主のシャルティアを迎え、もうのっけから良く分からない式の流れで守護者たちがそれぞれ献花を捧げ。大トリを飾るアインズが何故か薔薇の花束で一言添えるところにシャルティアがかこつけて口付けをねだるという──うんっ!いつも通りのドタバタギャグ路線を爆走するナザリックだこれ!!

要は精神支配で大失態犯したシャルティアが皆に誠意を込めて謝罪する場を設けた、今日の生前葬を開いたと。今後は信頼回復に努めて頑張るので仕事があれば声を掛けて欲しいとお願する──ここまでは良かった

「特にアインズ様におかれましては、寝所にお呼びいただければ全力で頑張りんすっ」
「行っけええええ!!!」

妄言に待てが出来なかったアルベドが、棺に入ったままのシャルティアを豪快シュートして一気に場外へ出棺決める。最初から最後までカオスな生前葬であった──

呆れ 肩を竦めるデミウルゴスは不意に袖口を引かれ、何事かと、斜め後ろを振り向くと──カーリィナに阻まれ 会話らしい会話が交わせなかったエリーがこっそり耳打ちする仕草で近付いて来るのに内心驚きつつ。周りに気付かれないよう顔を寄せ

(あの、‥‥‥デミにも‥‥あまった布地で、軍服作ってみたんで──よかったらっ、着てみて‥?)

ぎこちなく決まりが悪そう、頬が紅く染まりそわそわして囁くエリー──彼女の手元には、自分用に誂えたという軍服を持っていない事を推察するに、夜のお誘い。と受け取って良い。悪魔の頭脳で素早く判断し柔らかい頬に触れるだけのキスを贈る。

耳まで真っ赤に茹で上がり、両手で顔面覆うエリーとスマートにEROい彼氏のデミウルゴスの隠しきれてないイチャラブっぷりを。バッチリカメラ動画に収めてた万年新婚コンビが、なかなか進展しない恋人同士にまどろっこしくて我慢ならず、どっさり大量の大工道具資材を引っ張り出す。

『も〜ッじれったい!!ここに協会を建てようパンドラ!悟さん手伝って!!』
「はっ! Wenn mein Gottin es wunscht 我が女神のお望みとあらばッ!!」
「っフア!!?どういうこと??」

─ここに教会を建てよう(※本当に有言実行出来ます)なんでもある第九階層なら既に教会もありそうな予感─


fin

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