異世カルこのすば!


いとこの兄さんからすっごい面白いゲームがあると、リアル体験型バーチャルゲーム『ユグドラシル』という一世を風靡したオンラインRPGにド嵌りしたものの 時代の流れかサービス終了となったその最終日。
これでもかと趣味と燃えと萌えを注いだ我が子NPCたち、屋敷に広大な農村の領地まで課金つぎ込んだ。まさかゲームの世界に転移するとはこれなんてライトノベル?最初の頃はえらく仰天したものだ

ノリで国創ってたところに
ラスボス魔王かよッ!?」盛大にツッコんだ死の支配者オーバーロード最恐アンデッドご降臨したこの人?骨の人?がなんだって従兄の友人とは世の中わからん。
無茶ぶり言いなさる世界征服にだいぶ傍観(スルー)気味でいたんだが知らぬ間に参謀主宰?どえらい地位に就かれた。

魔導国建国するとかなんとか。ウチの屋敷でネコ耳娘のフェリシアと休日満喫してたら どっかから出現したスイッチ押していきなり元いた日本に似ている異世界にとばされた。なに。この程度ちょっとやそっとじゃ驚きはしない、なんてったってあの死の支配者オーバーロードとガチでやりあった肝っ玉の大きさには自信あるとも。
と思ってたらその日のうちに死の支配者オーバーロードと階層守護者たちに捕獲されたうんもうそのパターン決まってるのね。

保護という名目で 悪の巣窟、もとい寮に世話人として住み込み働かしてもらえることとなった背に腹は代えられん。
なにより平和な日本のご飯が食べられるんだ!モモンガさんたち皆も食べたいことだろうそうに違いない!家賃と食費を稼ぐために履歴書(偽装)用意して、調理人募集の張り紙 掲示してた学園に面談行ったら即受かった。いいのか!?なんでか私少女のまま元の大人に戻れないんだが?どうやら魔法やスキルを行使する法則が変わってるらしい

細かいことは気にしてたらキリがない!かわいいフェリシアと一緒に小遣い稼ぎだ!と食堂で働きはじめたものの──

一日の労働が終了となる、あとは調理場の後片付けだけだと帰り支度しようしてたら

「ねぇねぇナマエ‥‥」
「うん。すっごい見てるな」

裾引っ張ってくるフェリシアを自分の背にまわして隠す。なんか超見てる!

「じぃぃ〜‥‥‥‥‥‥」

食堂内 柱の影から監視?してるつもりなのか。金髪美女で学園内のはずなのに鎧装備してる 確かデミウルゴスから勢力図?皆と学業に勤しんでるクラスメートの人たち顔と名前教えてもらった

「えぇっとー‥‥ダクネス、さん?」
「ひゃっ!?」

ひゃ!じゃないよー思いっきり見えてましたけども?
ガチガチの全身鎧フルプレートを着込み、黄色をイメージカラーとしたクールな顔立ちの美人さん。一度柱の影から身を隠したけどまた顔出してきた

「授業は?」
「も、もうホームルームも終わるところだ‥‥問題ない。そそそれでエリクシールと言ったな」
「ああナマエでいいですよ。この子はフェリシア 初めまして」
「はじめましてー(?)」

年端もいかない姉妹?だろうか 食堂メニューが一層美味しくなったと好評判だ。幼いのによく働いている。ダクネスは厳守しなければならない教師からの指導を突っぱねてもこの姉の方に用があった。

「立ち話しもなんですから 今お茶用意しますね。フェリシア 席にご案内して」
「はいっ!」

本当によく出来た姉妹だ。なんだろう自分の方が精神面で負けている気がする、それも好いと思えてくる言葉にしにくいもにょる被虐心がこの姉を求めている!


〜いせかる〜


2組 副担任レルゲンの胃痛は収まらない 言うことは聞くものの 人外相手に彼の帝国国家へ捧げる鋼鉄の心はもはやガラスのハートと化している。クラスからまた一人エスケープした。違反者は生徒ダクネス。
一応 パーティーリーダーとして駄目ダメな仲間をなんとかまとめる佐藤カズマは冷静さ失って落ち着きなくそわそわしっぱなしである。

(どこ行ったダクネスー!!絶ッ対バカしでかす!!)冷や汗が止まらないついでに貧乏ゆすりもノンストップ

じきにホームルームが終わって放課後自由となる、が。ぎりぎりと歯ぎしりして時間早く過ぎ去れと強く念じる佐藤カズマと。アインズ・ウール・ゴウンは──なにか途轍もなくイヤな予感が骨の身を襲う


食堂内の共同テーブルに腰を下ろし。紙コップであったかい緑茶を3人分用意して1つを差し出す

「それで御用とは」
「お前はあのアンデッド達とどういう関係なんだっ!?」

ドストレートなクエスチョンきちゃったあ!!確かにモモンガさんとむっちゃ親しいけど悪の軍団に仲間入りしてますけどー!?これ言っちゃマズイよねえええ

勢いが過ぎる身を乗り出してテーブル卓上にダイブするダクネスを椅子に戻すよう どうどう落ち着かせ。一拍深呼吸してから懇切丁寧に答える

「ダクネスさんと同じ──体育委員長してるコキュートス。彼、私の甥っ子」
何だと!?お前は人間種だろう!」
「いえ私ホントはモンスターです」

少女のままでも人魚に戻れる。わざと片手だけ鱗に覆われる素手を披露して

「はァん‥‥っ!」
(えっ!なんだ喜んでる!!?)

こっちがいたたまれなくなっちゃう程 頬を紅潮し淫靡な吐息を漏らす目の前のダクネスに咄嗟に幼児であるフェリシアの両目ガードする。

「おっぉお甥と叔母のお前も一緒に私を手籠めにしようとする気だな!好いぞその凶悪な爪で私の鎧を奪い盗り服をズタズタに斬り刻んで、柔肌に傷を奴隷の証も付けるんだろ!!」

ちょっと何を言ってるのかわからん。
すかさず魔法で防音をフェリシアに施す

こうなったらダクネス嬢は止まらない!

「あのスケルトンは主人か!」
「はい。まぁそうなります」
「ナマエ!お前は何者なのだ!主人から使用人として雇われ──っは!夜伽か!毎夜閨に呼ばれ骸骨の主人とくんずほぐれつぅううくうううう!!」
「(なんなんだろうこの美人さん。えらい残念だ)いえそんなにお会いする日は‥‥定期報告の日以外は
「ダークエルフの双子と共謀しているのかっ!!あんな可憐な幼い見た目をしてダークと言うんだ闇の悪に染まりきっている!あの双子とはどうなんだ!」
「アウラとマーレ?姉弟とはよく遊び
「あそび!?遊びとはダークエルフ族にしか伝わらない禁断の儀式か!清らかな乙女を淫奔に陥れるサバトを!嗚呼何という事だっ!幼い外見でも高齢のダークエルフとお前とでいたいけな娘をっそそそんなあれな道具で敏感な大事なところを重点的にィィイイイ」
「(っなんて想像してるんだこの人!?)あの っちょ勘違いしている
「サキュバス!そうだ吸血鬼の姫然としたヴァンパイアとがスケルトンの妃!!ッさッさささ三人で!?夜な夜な!!どんな恐ろしい悪の申し子が産まれてくるすす凄いモンスターに違いないだっだだって色欲の限りを尽くす淫魔とヴァンパイアと魔王のようなスケルトンが混ざりあったああああ私を襲えええええええ」

本音でた!言っちゃったよこの人マジかとんでもないド変態Мっ娘や!!?

「知能が高いらしいスーツを着ている悪魔は?そいつともきっと凄い企みを」
「───あああああああああ!!!」


絹を裂くような悲鳴がホームルームが終わりを告げた予鈴と全く同時に学園内に木霊する。

アインズたちは光りの速さで悲鳴の主が誰なのか危機を察知した。佐藤カズマは心底謝罪の涙を流す

いの一番に動き出したのは
上位転移魔法を発動したデミウルゴス

迅速過ぎる親友のその対応に、隣に席陣取るコキュートスが内心吃驚するも主君の全体魔法で食堂に転移する。

「どうしたナマエさぁああああん!!」

支配者ロールどこいったとかそんなこと知るか!!大事な仲間の親戚をどうこうしようなんてアインズ・ウール・ゴウンの名に懸けて只で済むと思うなよ糞が

「──えっなにこれ??」

思わず口からぽろっとツッコみたくなるどういう状況?ねぇなにこの地獄絵図?

プリンセスホールドでナマエを救助したデミウルゴスが、冷ややかな視線で見下ろしている。大量出血・鼻血の海に沈んでいる女騎士。(なんか満足そうにニヤけながら気を失ってる気持ち悪)を健気にもフェリシアは介抱

ダクネぇぇえエス!!お前また何やらかギャーッツ!!すいませんほんとすいませんうちの仲間がうちの変っ態が!!ほんっっっとうにすいませえええええんんん!!!」

高速ダッシュからのジャンピング土下座を見事フィニッシュ決めたカズマの、渾身魂からの陳謝によってこの場はどうにか丸く収まった。かもしれない


時間を置いてナマエさんに聞いてみても

「モモンガさん‥私 穢れちゃいました」

うん!やっぱ ぬっころすあの女騎士!


真実はデミウルゴスだけが知る



「デミウルゴス──先ノ即座ニナマエ様ヲ救命成シ遂ゲタ働キ、大イ二感服シタゾ私モ見習ワナクテワナ」
「有難うコキュートス。大切な彼の女性だ、手を出した時点で相手の灰も残さず抹消しよう留意していたんだがね、此処ではそうはいかないらしい‥‥」

口惜しい

「大事な御身体に何か遭ってからでは遅い‥‥側で居て下さると佳いのだが」
「近イ内 アインズ様ノ御膝元へ居ヲ移シ 我々ト供ニナザリックニ尽力シテ参ラレル。先ズ以テオ迎エスル支度ヲ整エヨウデハナイカ」
「おォ!コキュートス‥‥っ!心強いよ、流石は最上たる女神ナマエ様の甥御だ!そうだとも彼の女性は御強い!懸念よりも今はナザリックへ出迎える準備を進めなくては!それまで暫くはこの下らない学園生活とやらを送るとしよう」



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