異世カル時空
アインズ・ウール・ゴウン魔導国建国に伴い。最初の第一段階として王国支配と並行し、帝国をも影から監視していくという今後のナザリック勢力を拡大する手筈を整えていた矢先。
どこからともなく出現した謎のスイッチを(腰かける時 意図せず)押してしまった瞬間。階層守護者たちと一緒に現実世界の平和な日本と酷似した異世界に転移して、学園生活を送らなければならなくなったアインズ。
強制的とも言える教師が敷く厳命に従わなければきっついお仕置き(廊下に立つ罰等)が否応なく待ち構えているとなって、仕方なく。仕方なーぁく学園生活を過ごしていくうちにクラス内の環境にも慣れてきた頃
夕日沈む前に。住居として宛がわれている寮へと階層守護者たちを連れ添い帰宅する途中、学園からほど近い公園から弾む童たちの声に ふとチラ見すると
(わぁ見たことある女の子
ってえ!?)
あれナマエさんじゃねッ!!スキルによって少女の姿に変わったままのナマエが、ネコ耳娘のフェリシアと二人して公園内でおいかけっこしてる!?
向こうもこちらに気付いて笑顔で手振り
「あっアイン
「ッちょっとこっちに来ようかー!!」
公園出入り門から光速で遊んでるナマエとフェリシアを確保して、えっちらおっちら自宅兼寮へと運ぶ。端から見たら集団での児童誘拐でしかない。
(何してんのアンタぁ!!?)
どこから見られているのかも分からない教師の監視を避け。保護して寮の談話室まで連れて来たものの、守護者たちが居る手前 支配者ロールを徹底しなきゃいけない。この場でどう問い質してよいものか考えあぐねるアインズ。
「やぁ皆もこっちに来てたんだ」
「ナマエ様方はいつこちらへ飛ばされたんでありんすかぇ?」
再会の挨拶に守護者たち一人一人握手を交わし。ソファーへ腰かけるナマエとフェリシアは周りを囲む先ずはシャルティアの疑問に答える
「つい先刻だよ」
「何カボタンノ付イタスイッチ──ノヨウナ物ヲ元ノ世界デ見カケテハオリマセヌカ?」
「うん?ああウチの庭で遊んでたらフェリシアがなにかそんなの踏んじゃったっけ、ピンポーンって鳴ってたからそれのこと?」
満足げに照れるフェリシアの頭を撫でるナマエ──いや。そうじゃねぇ
「どうしてあそこでお戯れに」
「やー遊具で遊ぶのも久しぶりだったしこの子と遊んでたらつい時間を忘れて」
「近衛はどうなされたのです、まさか供も連れずに?」
「ウチは皆 自由行動?」
「ずるーい!あたしだってナマエ様と遊びたいですー!」
「ぼ、僕も‥!ぇ、えっとご迷惑で なければ、ですけど‥‥」
「そんなことないさー!じゃ次は双子一緒に遊ぼーっ!」
そうじゃねぇえええ「エリクシール──どこへ帰ろうとしていた」
「野宿。」
どうしたいつものキレッキレの頭の良さはーッ!?子どもの姿だから精神年齢まで退行してるのかぁ!
「アインズ様 ハーフの娘共々保護すべきです」
「
採用!」
アルベドの会心の提案にGOを出す。
ナマエさんがいると皆一致団結するから助かるんだよ〜!お願いだからむやみやたらに外に出ないでマジでホントに!!
「ナマエ様 ここで皆の母親になって下さいませんか」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
え?突然過ぎるデミウルゴスの提案にこの場にいる全員 目が点になる。
ナマエも一瞬呆けてしまうも。直ぐに周りを見渡して考えをめぐらす
ここはモモンガさんたちの住まい
↓
寮で住んでるのか
↓
皆出かけてたし日中家事する人が居ない
↓
炊事洗濯掃除が滞ってしまう
↓
つまり私が世話人とな
↓
皆と美味しいご飯が食べれる
↓
お母さんポジション
「
いいとも!」
「流石はナマエ様!」
(うッそだぁ俺1個も分かんない!!?)
固く握手を交わすナマエとデミウルゴスそれから守護者たちとフェリシアがナマエを胴上げしてる様子に一人置いてけぼりをくらうアインズ
(もう訳分からーっん!)
「あ。アインズ様 お食事を可能にする水晶はまだお持ちでしょうか?こちらで大量に保管してあります」
アイテムボックスからアンデッドでも食べることが出来るようになるオリジナル水晶を取り出す。
(いやぁ優秀すぎー)
「僭越ながらここで働かせて頂きます」
(うん!もいっそうちに永久就職してー)
深々とお辞儀して。フェリシアも一緒に頭を下げて、歓迎の雨嵐拍手のなかナザリック寮に新たな世話人が住み込みでやって来た──
翌朝。
「行ってらっしゃーい!」
「いってらっしゃいませ‥‥っ!」
ナマエの丹精込めた朝食をたらふく食べてから登校していくナザリック勢を、寮を出た門から見送るナマエとフェリシア
「若妻 良いですね」
「デミウルゴス何を言ってるんだデミウルゴス?」
怪しく眼鏡を光らせる最上位悪魔に不穏な影が覗かすも真意を測りかねる。
家庭料理の調理ならば身に付けており、普段食卓を囲まないアインズたちに自作料理を食べてもらえて嬉しいと、心を弾ませるナマエ。
「じゃ洗濯干してから遊ぼっか!」
「うんっ!」
住まわせてもらってる恩に報いるため、家事にいそしむ。
アインズたちはまだ知らない
そこで終わらないのがナマエであると。
呆然と立ちすくむアインズたちの眼前に
エプロン姿で食堂キッチンでせっせと精を出している件の人物。
「わあーっ!ナマエ様のご飯がお昼も食べれるー!」
「やぁメニューから好きなの選んでー」
「ぁ、あのえっと、じゃぁ僕は‥‥!」
「──何をやってるんだエリクシール」
はしゃぐアウラとマーレとたわむれながら。板についてる食堂の母ならぬナマエが、フェリシアもつれて学園内にいるなんて。アインズは魂が抜けながらも問う
「ここの調理人募集の張り紙を見たところ、面接に参って直ぐ採用してもらいました」
だよねー!わかるー!それなあ!
ナマエさんそりゃあ受かるよー!
だって可愛いし明るいし優秀だし
文句ひとつない部下に欲しいわッ!!
「お給料も皆の食費にまわして、美味しいご飯作りますっ!」
マジでお母さんーっ!!ヘンテコな異世界で
ヘンテコな学園生活のなか食堂で働く
新たな異世界人がやってきた。。。
(っていうか子どもが働けるんかーい!)
よろしくお願いします!
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