最後の恋煩い、
お読みくださりありがとうございます。

このサイトを立ち上げて一番最初にスタートした長編がこのお話なので、私にとって長編処女作となったものが無事に完結できてホッとしております。

処女作にしては一話一話のボリュームがえらいことになってしまい、「こんな長いと読む気失せるやろ…」と毎回思いながら書いてました(笑)こんな長ったらしいお話を最後まで読んでくださった皆様には、本当に感謝しかありません……

このお話のテーマは、"大人の恋"です。あくまで私個人の一意見でしかないんですけど、社会に出て大人になっていくと、学生の頃とは価値観がずいぶん変わるよなぁと思っていて。
それに伴って恋愛観も変化していくと思うんですけど、大人になってから誰かを好きになるって、将来意識したりしてしまうから結構勇気のいることで、そうなると恋愛に対して慎重になったり臆病になることもあるんじゃないかなぁと思ったりして。その考えが、このお話を書くきっかけとなりました◎

ちなみに同い年だけど黒尾とは上司、という関係性は書く前から決まっていました。あと、マッキーと一番仲がいいって設定も。
理由:私がマッキー好きだから(脳直)

黒尾みたいな性格の上司なら、普段はもちろん気さくで質問とかもしやすいんですけど、締めるところは締めてちゃんと上司としての背中を見せそうだなぁと思いながら書いていたので、ヒロインは恋愛以前にまず人としての尊敬が先行しています。黒尾は上司としての責任やプライドがあるので彼女には基本弱ったところは見せないんですけど、なんかちょっとダメかも〜てなりそうな時にヒロインの頑張りからやる気を貰ってるので、相互作用が凄いんですこの二人。そのうち、弱い部分を曝け出した黒尾も書きたい

そんな彼女なんですけど、9話の“喪失と追想”で、元彼に「ネガティブな割には物事ハッキリ言う」って言われてる場面がありまして。実は、この言葉も彼女のトラウマになっています。ちょこちょこ黒尾に対して、下手したら相手の機嫌を損ない兼ねないような本音がぽろっと出したりするんですが、この思ったことをそのまま言ってしまう性格を元彼に度々否定されてきていたという隠れた設定があります。「お前のそういうところ俺イヤだわ」と……人には自分の考え押し付けがちのくせにね、Y。
ヒロインもそれは自覚していて直したい短所でもあったので気をつけてはいるんです。だから黒尾に対してハッキリ言っちゃった時に「またやってしまった」と思っているんですけど、相手は寛大な心の持ち主・黒尾なので、そんな彼女に対しても「あぁこういう子なんだな」と性格を否定するんじゃなく受け入れ、その相手にとって適切な接し方や距離の埋め方をしていってます。(真のコミュニケーション能力が高い人間をイメージ)それが彼女にとっての一番のターニングポイントというか。ありのままの彼女を彼女だと黒尾が認めちゃったので、息がしやすくなったんですよね。いやほんと、良かったね…。

なので、ヒロインの暗く閉ざした心が、黒尾鉄朗という一人の人間との出逢いをきっかけにどんどん紐解かれていく変化は書いててめちゃくちゃ楽しかったです。

あと、この話を書いてて意識したことは、"現実味"といったところでしょうか…。物語の世界観に没入していただきたいな〜!と思っていたので、よりリアルさを追求して、誰だって一度は起こしてしまうであろうミスだったり、自分が悪いと分かっていながらもなかなか素直に「ごめんなさい」を言えなかったり…。そんな場面をちょこちょこ入れてます。世界観に入り込んでいただけたら、幸いです。

ちなみにこのお話のタイトル“最後の恋煩い”は、髭男さんの曲名から拝借いたしました。歌詞もほんの少しフレーズお借りしています。テーマ?イメソン?的な感じです。まぁ最終話にしか反映してませんが(それイメソンでもテーマソングでもないんちゃうか?)そこに向かってお話書いていたのでまぁ良しとしましょう。

相手のことを好きすぎるが故に苦しくなっちゃう恋愛もあると思うんですけど、好きなのに苦しいって、しんどいですよね。特にヒロインはこの苦しさから逃れたいって気持ちがちょこちょこ生まれてるんですけど、一緒に過ごしていく中で、相手が黒尾ならそれさえも良いなぁと思っていくようになるんです。お互いに、きっとこれが最後の恋煩いなんだろうなぁって思い始めているのが、最終話。
この曲は「最後の恋煩いを始めよう」て歌詞から始まるんですけど、まさしく二人は今、始めようとしているところです。
小話ですが、各長編ページ、タイトルの下に英語のフレーズを記させていただいてるんですけど最後の恋煩いは"You swept off my feet.(貴方に心を奪われました)"というニュアンスで使ってます。足元を掬われて立ってられないくらい夢中にさせられてしまった、みたいなイメージです。もっと砕いて、貴方しかいない≒最後の恋煩いていうイメージ……

各話のタイトルはお題サイト様から拝借したのですが、この話は全てタイトルから話の流れを組んだので、本当にめちゃくちゃ助かりました。ちなみに14話の“ノンセキュリティ・ブランケット”は、もうお題見た瞬間から「あ〜これはもう裏ですわ」となりました(?)セキュリティがないブランケットって、すごく大人の雰囲気しません…?(小並感)

ちなみに続編とまではいきませんが、番外編も書いていく予定ですので、またその際にはお付き合いいただけると嬉しいです!青城組と絡むお話とか、木兎や研磨と絡むお話とかね…色々ネタは練っています。

あとがきって何書けばいいのか分からずこんな形となってしまいました…。あとがきすら長いって何?切腹

最後に改めて。最後の恋煩いに加え、ここまでお読みくださった方々、ありがとうございました〜!!

2021.5.31 豆岡









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