眼帯をした青い人のおかげで一段落つくことができた。今は互いに床に正座をしている。

ひやひやしながらも彼らと状況整理をした。いちいち迷彩の人が絡んできたが。
そこで分かったことがある。彼らは皆、甲斐とか奥州とか旧国名を言っていること。そして、今何年か、と尋ねると皆口々に今の時代より400年以上前の年を答えていく。

となると、信じがたいけど彼らは、戦国時代から来たのではないか

「あの、聞いてて分かったことがあるんです。あなたたちは信じがたいかも知れませんが」

「女、申してみよ」

「あなたたちに今、何年かと聞きました。しかし、今は2011年です。あなたたちは約400年先の未来に来てしまったんだと思います。あくまで、憶測ですが」

一同唖然として言葉を失った

「そんな嘘言っても無駄だから。俺様が見抜けないと思ってる?」

…約一名を除いて

「だから憶測と言いました。違うかもしれません。」

「いや、あながち間違ってないんじゃねぇか?」

今度は私が唖然とした

「もし、ここが未来だってんならつじつまが合う。俺の時代にはこんなからくりは無かったからな。しかも、外では鉄の塊が走ってるときたら、信じるしかねぇかもな。」

「嬢ちゃん、俺も信じるよ!確かに俺の時代にはこんなのは無かった。かといって、こんな細っこい嬢ちゃんが、こんな大男を運び込む事は出来ないだろうからね。」

みずしらずの私を信じてくれる人が、いた。

「ありがとうございます。でも、あなたたちが何故ここにいるのかは分からないです。もとの時代に返すこともできません。すいません…」

「それは嬢ちゃんが気に病むことじゃねぇ。本当にわからねぇってんなら仕方ないじゃねぇか」

なんていい人なんだ!迷彩の人と違って、話し合えば理解できる人がいた。
嬉しすぎて泣いてしまいそう。

「状況は理解した。女、我をここに住まわせろ」

今までほとんど黙ってると思ったら、何を言い出すんだ緑。
いや、別に構わないんだけど、さあ。

「すまねぇ、俺も厄介になっていいか?この時代には誰も知り合いがいねぇ。突然ここに現れた上にこんなこと言うのもあれなんだが」

「いえ、構いません。ここに現れたのは何かの縁かもしれないし、ここにいれば帰れるかもしれないので。帰れるまでここに住んで下さい」

「よろしく頼む」

「ありがとよ、嬢ちゃん!」

「住んでやらんこともない」

緑、お前はツンデレなのか

…まあ大丈夫。いくらかお金もあるし、部屋もある。あ、でもご飯ないや…。しかも戦国時代の人達なんだから、相当な量食べるよね、きっと…。
あ、そういえば残りの人達はどうしよう

「あの、あなたたちは、どうしますか」

「HA!俺も世話になる」

「政宗様…!?」

「某も世話になるでござる」

「旦那!?」

従者の方達は反対なんだろう、主がここで世話になることに異議を唱えてる。しかし断った所で、頼むあてがないのか渋々ながらもここに住むことになった。

ここで、重大なことに気付く。まだ彼らの名前を知らないのだ。

「すいません、名前が分からないので、自己紹介してもらっても構わないですか?改めまして、私はみょうじなまえです」

「某は真田源次郎幸村と申す」

「俺様は猿飛佐助。まだあんたのこと、信じた訳じゃないから」

「伊達政宗だ」

「…片倉小十郎だ」

「俺は前田慶次!よろしく!」

「俺は長曾我部元親だ」

「毛利元就」

まさかとは思っていたが、こんな有名な武将達が集まったとは
一瞬、呆気にとられる

「…皆さん、よろしくお願いしますね」



わが家にやってきた
(カラフルな戦国武将たち)

賑やかになるなあ




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