全員が入り終わり、最後に私が風呂に入る番。
今日は一気にいろいろなことが起こりすぎて、よく順応できた自分、と褒めたくなる。本当に

彼らが現れたのが急だったから、憶測ではあるけど帰るときも急だと思う。…まあ、もしそれが明日だったら脱力だね。それはそれはもう、盛大にね。そしたら酒呑む!家中にある酒を全部もってきて呑む!


そして、…踏ん切りがついたら実家に帰る。彼らが来て、こんなに温もりが恋しいと思ったのは初めてかも知れない。久しぶりに帰って、なかなか出来ない親孝行しようかな…。


と、ここまで考えて、お湯の温もりに包まれながら私は眠りについた。



***



おかしい。確かなまえちゃんが湯浴みに行ったのは短い針が9の時だ。今は10を通り過ぎて11に近い。
旦那たちも眠いんだろう、てれびを見ながらうとうとし始めた。こんなに敵が多い中、旦那を残すことはしたくないが、仕方ない。あの女がいなければ、俺様は構わないが、旦那を床に寝かす事になる。

それは駄目だ、と自身も軽い眠気に襲われつつなまえちゃんを見に行く。



***



「なまえちゃん?いるの?いるなら早く布団敷いて欲しいんだけど」

風呂場に向かって呼び掛けるも、反応はなし。ならば仕方ない

「…なまえちゃん、入るよ?」

覗くのに抵抗はない。そういうことなんか、たくさんやってた訳だし


ガチャ、と開けて入った先にはなまえちゃんがいた。ただ、死んだように眠ってた。

「なまえちゃん…?ちょ、ちょっと起きてよ!なに寝てんの!」

「……、さ、すけ?…え?ちょ、なん、っで!?」

私が目を開けたとき、目の前には佐助がいた。え、なん、冷たっ!お湯冷た、あ、これお湯じゃないよこれ水だよ!死んじゃう!

「佐助タオル取って!寒いよ」

「お馬鹿さん!お風呂で寝るからこうなるんでしょ!…たおるってこれでいいの?」

「そうそれ!投げ、へぶっ!」
投げて、って言い切る前に投げてきた。しかも有り得ないスピードで。球じゃないのに、よくあんなスピードで投げたよなあ

「なまえちゃん!湯殿で寝ないって言われなかったの!?全く、風邪ひいちゃうでしょ!」

「ご、ごめんなさい。次は、…多分気をつけます」

「多分?」

「しっかり気をつけます!」

うわ、目が笑ってないよ。顔は笑ってるのに!おかしいよ

「まあ、早く着替えてよ。そしたら、さっさと布団ひいてね」

どろん、とこの場から佐助が消えた。
えっ?着替、え…

「ぎゃああああああ破廉恥いいいいいい!!」

目の前に佐助がいたということは、ばっちり裸を見られていた訳で。お湯が水になってたことに気を取られていて、全然分かんなかった…。次からは見物料とるからね、っていうか見せないし!


この後、私の叫び声を聞いて皆が急いでやってきたなんて、言うまでもない。



ハプニングin風呂場
(事件は風呂場で起こったんだ!)

皆来ないでまだ着替えてない!



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