「ただい、ま…帰りました」

久しぶりにただいまを言うものだから、少し口ごもる
すると玄関に真田さんと前田さんと長曾我部さんが駆け付ける

「おかえりなさいませみょうじ殿!」

「なまえちゃんおかえり!」

「何か持っていく物はねえか?」

久しぶりの事に少しびっくりする。出かける前のいってらっしゃいもそうだけど、家に誰かいるのが久しぶりで、誰かが出迎えてくれるのが、嬉しくて。
何年ぶりだろう。お父さんもお母さんも兄貴も元気かなあ…

「大丈夫ですよ。食品と衣料品の袋を持っていくだけな、…!」

「これを、持っていけばいいんだろ?」

後ろから政宗達がやってきて、そっと私の持っていた荷物を受け取る。

「ありがとう政宗」

するとリビングからひょっこりと猿飛さんが顔をだす。

「いつまで玄関開けっ放しで突っ立ってるつもり?旦那が風邪ひいたらどうするの」

あ、はい。そうですね、すいません。冷えますもんね
私は少し横にはけて、政宗達に目で中に入るよう促す。

「なまえ、全部リビングに持っていけばいいのか?」

「小十郎さんが持っている食品の袋はキッチン…厨房?に持っていって。ついでに用具の使い方も説明するので」

「わかった」

戦国時代って火はあった…よね。まあ、でもコンロ、電化製品あたりは説明しなくちゃ。あ、説明するついでに、夕飯作ろう

と思いながら、私も家に上がっ…上が、

「ちょ、…ちょ、っと前田さん!近いです!」

「なまえちゃん俺も呼び捨てで呼んでくれよ!敬語もいらないからさ!」

…え、なんだなんだ。なぜ急に呼び捨てだなんて。とりあえず家に入れてくれ

「政宗のこと呼び捨てだろ?だから…駄目かい?」

「…わかった、慶次って呼ぶ」

ありがとうなまえちゃん!って言って、慶次はリビングに戻った
するとまた、リビングから猿飛さんがひょっこりと顔をだして

「…なまえちゃんもあがったら?風邪ひくよ」

「…っ、はい」

まさか猿飛さんが私の事を気にかけてくれているとは思わなかった。そのことが嬉しくて、軽い足取りで私はリビングに入る。

「……」

「お、なまえちゃん!どうだいこの格好!結構似合ってるだろ?」

「へえ、これが未来の服ねえ…。軽くて動きやすいんじゃない?」

「みょうじ殿!某はどうでござろうか!」

リビングにいたのは、この時代の服を身にまとった彼らだった。

なんていうか、うん。スタイルいいし、ちゃっかり着こなしちゃってるから…悔しい。イケてるメンズってやつですかそうですか
チラッと横をみると、政宗が親指を立ててこっちを向いていた。グッジョブ、政宗

「みなさん服も着れたようなので、家の中の説明をしていきます。そこで、守って欲しいことがあります。騒がないはしゃがない触らない。いいですね?」

おう、とか、わかったの声が聞こえる。さて、説明会はじめまーす




寄ってらっしゃい
(見てらっしゃい)

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