「私ね、星になりたいの」



名前の余命は、もってあと1ヶ月。彼女はこの余命のことについては聞かされていない。だけど、自分はもう少ししか生きられないと知っているかのような発言だった。星になりたい、…でも名前らしいと思った。



「星になりたいって前に言ったでしょ?なんでか分かる?」

「あー、空から見守っていたいとかか?」

「……あたり」

一発で当てられたのが不服なのか、少し拗ねてしまった。

「私星になる前に、元親と出かけたいな」

「どこでも連れていってやるよ」

「じゃあね、星を見に行きたいな。町外れにある丘で、元親とねっころがって星を見るの!約束だからね」

おう、と言って子指と小指を絡めた。とても幸せそうな名前をみて、俺も幸せな気持ちになった。


あの約束の日から三日。名前は亡くなった。なぜか涙は出てこなかった。

俺は、名前との約束を果たす為に町外れの丘に足を運んだ。この場所は名前が入院する前、一度だけ訪れたことがあった。この丘にねっころがって、二人で青空を眺めていた。

その時と同じように、丘に寝転がる。数時間経ったのか月が上に来ていた。雲がなく綺麗な星空が眺めることができ、その中でも一際輝く星をみつけた。それが名前に見えた。そして「約束守ってくれてありがとう」って言ってる気がした。

「名前も、夢叶ってよかったな」



あの子は星に
なったみたい





110410

意味わからないところがありますが、こういった感じの話を書いてみたかったんです