▽ エラフィタ村へ
リオが出て行ってから10分後。
ルウが欠伸をしながら階段を降りて来た。
そしておもむろにきょろきょろと辺りを見回す。
「リオなら出掛けたわよ?」
ルイーダがニヤニヤしながらルウに言った。
「え!?なんで?何処行ったの!?」
リッカが腑に落ちなさそうな顔をして答えた。
「エラフィタ村。ルウに頼んだのは黒騎士退治だけだから、独りで行く、って言ってたよ」
――な、何それっ!!なんつー理不尽!!レオコーンさんのことあれだけ首突っ込ませといて…!
ルウは憤慨する。
リッカは苦笑しながら、
「ルウが自分の部屋より、リオの部屋をとることを考えてたって言われたら、私の立場だったらルウにはゆっくり寝ていて欲しいって思うんだけどなぁ…」
とリオを庇うように言った。
――あ…心配、してくれたのかな…でも勝手に出てくなんて酷いよ!
しかしたちまちルウは口をへの字に曲げた。
「リオさんはエラフィタ村に行ったんだよね!?絶対に追い付かなきゃ!!」
ルウは勢いよく宿屋の扉を開け、キメラの翼を放った。
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