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関心の矛先
2023/11/05 00:41
マズローの欲求5段階説とルークを照らし合わせた話。



TOA連載Aは実質2週目なので、違いを楽しめるように書いていますが多分自己満なんだろうな(挨拶)

本来原作にいない異物こと夢主を入れることでお話をこねくり回しているのですが、TOAってお姉さん成分や母性が極端に欠落している話じゃねえかな?って常に思っています。

意図的な配置なのかも知れないけど、男は背中で語るぜ、みたいに男性的に導こうと働きかける面子がPT内に非常に多すぎます。見守ったり、温かい関わり方をすることで人を誘導するいわゆる北風と太陽の太陽成分を保持した登場人物って本当にガイ様以外PTにいない。初期は本当に会話が不十分でストレス溜まりまくりですよね。

特にルークはお外に出たこともないボンボンですし、ことあるごとに疑問が出てくると「はぁ、そんなことも知らないの?」っていうやり取りがテンプレ。例えば、今日から一緒に働くぞ!ってなった新入社員にそんな風に詰め寄る先輩達がいたらめっちゃ怖くないですか?高級スーツ着た大佐とかの圧すごそう。(なんそれ)

で、人は自分の生きるステージや段階ごとに欲求が変わる存在なんですけど、マズローの欲求5段階説っていうのがよく取り上げられるメジャーなものですね。

なんぞそれ?って思うとは思うのですが、人の欲求ってのは下から順に「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」の五段階、それぞれの欲求が積み重なって1つのピラミッドを構成しているというものです。

@生理的要求
生きるか死ぬかの基本的な欲求です。眠りたい、食べたい、死にたくない、そういう生死に直結する本能的な部分ですね。これが満たされたり、生きるための問題がクリアされないと次のステージに行けません。これに支配されている状態というのは、自分の命に関わることなのでかなり余裕がないと思います。

A安全の欲求
吉良吉影みたいに穏やかに安心して暮らしたいという欲求ですかね。経済的にも健康的にも問題がない状態という感じでしょうか。

B社会的欲求
他人から受け入れられたいという欲求です。人はどこかに属していたいという意識が働くので、これが上手く機能しないと鬱が加速したり、孤独を感じやすくなりますね。定年退職後の老人とかが拠り所を見つけられないと破滅ルート入りそうですね。だから趣味は大事なのです。(違)

C承認要求
人に認められたい欲求ですね。低位と高位の二種類の承認要求があり、前者は人に賞賛されたり、尊敬されることで満たされます。後者は自分を大切にすることや、自分を愛することで満たされます。承認の発信源が他人由来か自分由来かの違い、みたいなものでしょうか。どちらがいいか悪いかはなく、どちらも必要なものだと思います。もし承認欲求が満たされなければ、劣等感や無力感となって襲いかかってくるので厄介ですね。

D自己実現欲求
自分にしかできないことはこれだ、だからこうしたい!こういう存在でありたい!と思う欲求のことです。ここだけ異質な欲求で@〜Cまでがきちんと満たされていないと辿り着けないものだとされています。

前フリがめっちゃ長かったんですが、この欲求からルークという人間を見ていくと、とても面白いことが分かるんです。

まずアクゼリュス以前のルーク。
アクゼリュス後のルークを見て、仲間達が前のルークの方が自由に生きていた、みたいに言うところがあったと思います。それもそのはず、ボンボンだったルークの欲求段階は普通にDくらいまで到達していたのでしょうね。

発想は単純でお子様みたいなものでしたが、他人に認められたい、超振動を使って障気を消して英雄になりたい、アクゼリュス直前まではなんとなく将来の希望や自分のあり方、ビジョンが見えていたように思います。

一変してアクゼリュス後のルークは、自分はかけがえのない人間だと思っていたら、実はアッシュのレプリカという他人の人生を奪っただけの偽物だった。そんな理由で自身の存在や尊厳が一旦全て破壊されます。欲求段階で言えばD→@に戻るんですね。

だからこそ余計に生と死を意識しますし、死にたくないと呟く場面が増え、消極的で卑屈にもなります。あると思っていた自分がなくなってしまったからです。

だからこそ、@→Dに再び戻るためのルークの成長物語がアビスのストーリーの醍醐味になります。

AとBは仲間達の支えがなかったら本当にどうしようもない状態でしたね。健康面の安全というのは音素乖離で徐々に崩壊していくのですが、その代わりに仲間達の結束力がアップしたり、死んでほしくないと思われるまでになり、一人で戦っているのではないのだと孤独ではなくなる。約束されしPTじゃん…えっも。

Cは低位の承認要求しか重視していなかった自分が、アクゼリュス後に色んなことに触れるにつれ高位の承認要求を満たしていくようになります。自分が出来ることをする、と言いながら行動するにつれ、仲間や他人にも変わったと好意的に評価され、大罪を犯した自分を等身大で愛せるようになった、認められるようになった。そんなところでしょうか。そういった面に感化されて、ティアやジェイドも態度を徐々に軟化させていきますね。

Dは最終的にはヴァン先生を止める=世界を救うとなってしまったので、それを自分だけが持つ力(超振動)を使って自分らしく(ヴァンを慕う弟子として)実行する、という結末に落ち着きました。単純に悪役を成敗する、という話ではなく人としてのあり方を見つけた上での戦いだったので普通に熱い展開ですよね。ちょっと専門用語とかが難しすぎる点が分かりにくくさせてますが、最終決戦は本当に目的がシンプルです。

私はそんなルークが大好きですよ。はよアッシュと一緒に二人で帰ってきて…。

そんな気持ちでTOA連載Aを書いています。(くっそなっげえ)

いつも癖がつよつよでごめんなさい…!



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