「あーあ。今日も連絡なし、かぁ…」
携帯を閉じて、私は溜息を吐いた。一樹さんからの連絡は今日も来ない――クリスマスだというのに。 昨日は生徒会主催のクリスマスパーティーだったから、私達の様子を見に絶対来ると思ったんだけどな…
「颯斗君も翼君も残念がってたな…」
二人も一樹さんが来ると思っていたみたいで、準備から気合いが入っていたんだけど。だけど、一樹さんは来なかった。そして連絡も取れない。一体どうしちゃったんだろうか…
このまま部屋で一人考えていても気持ちが沈んでいくだけだと思って、気分転換しに屋上庭園へとやって来た。今日は空気が澄んでいて、いつも以上に星が綺麗に見える。
「…綺麗」
星空は本当に綺麗。だけど、いつものように純粋に星を楽しむことが出来ない。それはきっと一樹さんのことを考えてしまうから。
――会いたい、と思ってしまうから。
「どうして来ないのよ…一樹さんの、ばか」 「誰が馬鹿だ」
不意に、声が聞こえた。と同時に後ろから首元にふわりと何かが掛けられた。 振り返るとそこには――一樹さんが、いた。
「か、ずき…さん?」 「遅くなって悪かった。本当は昨日来るつもりだったんだがな、ちょっと色々あって帰ってこれなかった」 「…連絡取れないから心配したんですよ」 「ああ」 「クリスマスパーティーに来なかった…一樹さんが来ると思って私達頑張ったのに」 「ごめんな」 「…会いたかった、です」 「俺もだよ」
ふわりと、一樹さんは優しく私を抱きしめた。久し振りに感じる大好きなそのぬくもりに、私は泣きそうになる。
「メリークリスマス、月子」 「メリー、クリスマス」
空に輝く星達が私と一樹さんを照らす――まるで聖夜を祝福するかのように。
twinkle,twinkle
(あなたがいるだけで、幸せな夜になるから)
**** クリスマスを締めくくるSSは一月にしました!主役は遅れて登場するって感じにしたかったので(笑) 一月も好きなCPなので、書くことが出来て良かったです。
|