「は、はじめてなんです!」
「知ってる、だからどうした」
「…いえそう言われちゃうと、何とも」

何がどうしてこうなったのか、気付いた時には船長と付き合うことになっていた。
手を繋いだり、き、…キス、した数だって、そんなに多くない。
だから、ベッドに押し倒されて、いざ!っていう気持ちが、結局は出来てないのである。

「ま、まだ、こわい、です」

バラされる覚悟でそう伝えると、船長は嫌そうな顔をしていた。当たり前か。
でも、やっぱり怖いものは怖くて、もう少し、段階を踏ませてください。
口に出すのは憚れたので、目だけで訴えてみると、あら不思議、まったく伝わらなかった。
むしろ顔が近付いてきて、唇が重なってしまった。
唇を舌先でなぞられ、従う様に開けば、そのまま侵入してくる。
慣れない行為。苦しい。酸素がほしい。ぼーっとする。でも、下腹部が、どうしてか、変な感じだ。

「っは、…は、う、」
「息ぐらいしろ」
「初心者には、むずかしい、です」

そうして何度も息を繰り返し、そして、はたと気づく。
何か、全身すーすーする。

「…いつのまに…!」

知らず知らずのうちに、剥かれていた。びっくりするほど鮮やかだった。
ブラジャーのホックも外されていて、カップがかぱかぱしている。

「身体起こせ」
「うう…」

どうしたって、船長には敵わないんだ。
言われるがまま身体を起こし、されるがまま、服や下着がベッドの下に落とされていく。
こちとら全裸なのに、船長は涼しいままだったので、服、と小さく呟いてみたら、船長はがばりと上着を脱いだ。

「…ほんとに、するんですか」
「さあな」

どっちなんですか、それ。
再びベッドに身体を倒されて、唇が重なりながら、可もなく不可もない普通の胸を触られる。
突起に船長の手が掠めると勝手に身体は跳ねて、口の中で声が溢れた。

「ゃ、せん、ちょ、…」

ただの、キス、だけじゃ、こんなに息は上がらない。
多分、首筋、鎖骨、胸、脇腹、臍、太腿、内腿、色んなところを触られているから。
本当によく、わからない、けど、ぞくぞくしてるから、これって、感じてるって、ことじゃないかと思う。自分で言うのもあれだけども。

「…脚、上げるぞ」
「え、」

いやいやいや、ちょっと、待ってくださいよ。
ちょっと、え、まさか処女に、そのまま突っ込むとか、そんな、鬼畜な。
焦っている間にも、膝が胸につくくらいまで押されて、恥ずかしい格好を、いやそれより身の危険が、あ、でもやっぱり恥ずかしい。

「う、うう……」
「…泣くな」
「だ、って…、」
「悪いようにはしねぇよ」

言葉だけ聞けば、安心できるんですけどね、船長。

「むりです、入りません…っ」

処女だっていうのに、慣らされもしないで、そんな凶悪なもの、入る訳がない。絶対痛い。血に血を流す。

「いいから、力抜いてろ」
「うううう…!」

痛みに堪えるために、目をぎゅっと瞑った。
いやだなぁ、初めてなのに、こんな。
ぴたり、入り口に宛がわれた感触がして、でも、そのまま、中に入ることはせず、ずる、と。
入り口を滑るみたいに、動いた。

「ひ…ッ!」
「痛くはねぇだろ」

目を開ければ、悪戯に成功したみたいに笑う、船長。
…なに、なにしてんの、こちとら、心臓止まりかけてたって言うのに。

「や、…せんちょ、なんか、変、」
「ここ、」
「ひゃう…っ」
「…は、滑りが良くなったな」

前後に動かされて、ある一点に強く当たった時、びり、と身体に電気が走った。
そこを重点的に、何度も、船長ので擦られれば、頭がおかしくなりそうだ。

「っひ、ぁ、や…!」
「嫌?」
「だって、へん…っあ、んッ」

なにこれ、なんだこれ。
背筋が反って、シーツを手繰り寄せて、いやだと顔を横に振る。
だけど船長が許してくれるはずもなくて、私の脚を持って、腰を打ち付けてきた。
内腿に熱いのが触れて、それに擦られて、喉を引きつらせて喘ぐしか私には出来なかった。

「あっ、ぁ、せんちょ、せんちょぉ…っ」
「…船長、じゃねぇだろ」
「や、ん…っ、ろーさ、ん…っ!」
「イきそう、か」
「わか、んな…ッだめ、ぁ、あ、」

ぐちゃぐちゃと、知らない間に分泌された液体が音を立てる。
頭がぼーっとして、これが気持ちいいのか、そうじゃないかもわからない。
ただ、船長、…ローさんの、こんな顔を見たことがないので、それだけが、ちょっと、嬉しい。

「ろー、さ…ッあ、だめ、や…っ」
「…っ、ヘレン、」
「あ、ぁ…っひ、やああ…ッ!」

がん、と急に頭の中が真っ白になり、身体がおかしなくらい震えた。
それと同時にお腹に白い液体が飛び散り、知識のあまりない私でも、ローさんが感じてくれてたんだとわかり、安堵した。

「…明日からは、容赦しねぇからな」
「へ、…?」
「お前が慣れるまで、何度もシてやるよ」

…ええっと、船長。
とりあえずすごく眠いので、ちょっと、意識飛ばさせてください。


残酷な愛


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素股を布教したい話。

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