腕を引かれて、乱暴にベッドに押し倒される。 普段あまり見ることの無い、彼の、獰猛な瞳。 少しアルコールの混じったお互いの吐息が近付いて、唇が重なる。 すぐに離れて、でも近い距離のままペンギンさんはいいか、と言った。 お酒の所為で少しぼんやりする頭を縦に振ると、がっつくように、また唇が。 上唇を舐められて下唇を舐められて、そのまま唇を開くとペンギンさんの舌が入り込んできて、私の舌に絡めて来て、息が続かなくて、彼の背中に腕を回して、縋りついて、やめてくれなくて、口の中をぐちゃぐちゃにされて、回していた腕も落ちて、申し訳程度に彼の腕に手を添えるだけになって。 離れる頃にはさっきよりずっと頭が朦朧とした。 キスの間にどうやらツナギのボタン等を外されていたらしい。 こういう手際の良さに慣れてるなぁとか、ちょっと嫉妬して、悔しくて、自分から彼に触れるだけのキスをした。 「……煽るな」 「煽られてくれるんですか」 「当たり前だろ」 今度は首筋に歯を立てられて、噛み付かれてしまった。 赤い痕を付けられるより痛いけど、それを嬉しく思ってしまうなんて、病気だろうか。 首筋から鎖骨を舐められ、腰がひくりと浮く。 お酒の所為かいつもより抑えが効かず、それだけでも声を上げそうになった。 一度身体を抱き起されてするするとツナギを剥かれ、身にまとっているのはあまり可愛らしくない、フリルも飾りも付いていない紺色の下着だけ。 ぱちんとブラジャーのホックも外れて、綿性のショーツだけになってしまったというのに、ペンギンさんはきっちりツナギを着込んだままだ。 「…や」 「ん?」 「ペンギンさんも、脱いで」 彼に少し寄りかかり胸元に手を伸ばして覚束ない指先でボタンを外していく。 ペンギンさんの真似をして、首筋に唇を寄せながら上だけでも脱がせて、中に着ている黒のタンクトップの中に手を忍び込ませようとしたところでまたベッドに縫いつけられてしまった。 「ヘレン」 「……」 「あまり、調子に乗るなよ」 獰猛な瞳が、更に険しく見え、どくりと下腹部が疼く。 そのままいつもみたいにゆっくり上から触られていくのかと思いきや、彼は私の足元の方に身体をずらして、私の太腿に両手を掛けた。 「ペンギン、さん…?」 「濡れてるな、ここ」 ぐっと脚を固定され、じっと、そこを見られる。 顔が急激に熱くなって、脚を必死に閉じようとしてもそんなこと無意味で。 いや、やめて、見ないで。 羞恥が襲って、でも見られているそれに、馬鹿みたいに疼いて、じわりじわりと、自分でもわかるくらいに。 呼吸が荒くなる。もう離して、お願い。 そんな願望も、彼はすぐにどこかに投げ去ってしまった。 脚を掴んだまま、ショーツの上から、彼はそこに、舌を。 「やぁ…ッ!あ、や、ぺんぎ、んさ、やだっ…!」 布越しのもどかしい愛撫。 シーツを手繰り寄せ、必死に耐えようとしても、舌は何度もそこを撫で、彼の唾液か、それとも私のものか、染みがどんどん広がっていく。 「ひ、ぁ…っあ、だめ、…、ッ」 じゅう、と吸い付く音。 腰がびくびくと跳ねあがり、あ、あ、と馬鹿みたいに同じ音しか上げられない。 舌だけでなく、かぷりと、一番嫌なところに、犬歯で刺激を受けて、本当にもう、耐えきれず、もどかしいのに、段々と競り上がる感じがしてきて。 「や、…や、ぺんぎんさ、も、だめ、」 「はやいな、」 「んぁッ、ぅ、だって、も、そんな…っ」 直接触られてる訳じゃない。 だと言うのに、こんなになってしまうのは、私だけの責任じゃない。 じゅ、じゅ、と吸い付かれる度に、腰が浮いたままになって、特に突起の付近を強く吸われると頭が白くなって、喉を反らして、あられもない声が。 「ぺんぎんさ、も、いっちゃ、いく、…ッあ、あ、っひ、あぁぁあッ!」 一層強くそうされた時、どくん、と、身体が大きく波打つ。 中が収縮する度にどろどろと流れ落ちるのも、きっと、もう色濃くなってしまったショーツでは、わからないだろう。 太腿にかかっていた手が外されると、力の入らない脚はへたりとベッドに沈む。 顔を上げたペンギンさんは濡れそぼった唇で私の唇をまた塞ぎ。 そっと、私のショーツを脚から引き抜いて。 あの骨ばった指で、私の蠢く中を。 宴の夜に |