まだ朝の光が訪れない夜更け。
こんな時間まで任務が続き疲れ果てて帰ってきたわけだけど、俺のベッドで丸くなる彼女の寝顔を見たらそんな疲れなんて吹き飛んでしまう。
なんて、大袈裟かもしれないけれど本当のこと。
すやすやと穏やかな寝息を立てる彼女の横に静かに体を滑り込ませて自分も横になれば、隣りからぬくもりがすぐさま伝わってきた。
すぐ横を見れば彼女の上を向く睫が寝息と一緒に微かに揺れるのが見える。気持ち良さそうに眠る彼女に唇を寄せれば柔らかい肌が出迎えてくれた。
「……ん、」
それと同時にもそりと彼女も動いて眠そうに目をこすりながら瞼を開いた。
「ごめん、起こした?」
俺の問いには答えず、しばらくぼーっとしていた彼女はやっぱり何も言わずに俺の首に手を伸ばしてきた。
「どうしたの」
聞けばすり寄るように体を寄せて。
「おかえり、カカシ」
俺の首もとに吹きかけるようにそう言った。
「ああ、ただいま」
寄せ合う体のぬくもりを感じながら、お互いの体に腕を絡めた。
柔らかい優しい彼女の香りがふわりと漂ってこんな夜更けだというのに抑えがきかなくなりそうで。
「おやすみ」無理やりそう言うと抱き締めたままこれまた無理やり瞳を閉じた。
だけどそれはすぐにぐいっと甘えるようにすり寄ってくる彼女によって制御されて。
それと一緒に俺の首元に彼女の唇が触れた。
くすぐったさと心地よさが同じくらいに襲ってくる。抑えていたものも知らずのうちにどこかに飛ばされてしまったかのように。
彼女の首筋から顔を離して、まだ気持ち良さそうに瞳を閉じる瞼にひとつ口付けたのを皮切りに、額と頬と鼻の上と。
柔らかい彼女の肌に次々と口付けを落として。
そうすれば、やっときれいな瞳が開いて俺を映し出した。
その瞳が、もっと、とせがんでいるように見えるなんて。自分勝手な思い込みかもしれないけれど。
それの"勝手な思い込み"を否定するように彼女の瞳が優しく弧を描いた。
「もう、おやすみしちゃうの?」
聞こえた声はかすれ声で。だけど俺の小さな理性を吹き飛ばすのには十分な声音。
「明日は寝坊の日だな」
それでもいいの?
なんて質問したくせに、返事もろくに聞かずに。温かいその華奢な体をもっと近くへと抱き寄せて、お互い長い間待っていたかのように唇を寄せれば熱い息と一緒にどんどんと吸い込まれていった。
いつまでも小さな世界に浸っていたいお前に口付けた場所ひとつひとつから愛おしさが煽るように込み上げてくる。
なにもしていないのに、ただ居るだけで。
そんなお前の隣りがどうしようもなく愛しくて。
end.
▽カカシ/微裏/キスいっぱい
という設定でした!
微裏になりきれずすみません…´`このあとはもちろん朝まで卑猥な雰囲気です^q^(笑)
素敵なリクエスト、ありがとうございました☆
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