なんでこうなった?とか聞かれても、ただ好きになっただけと答えるしかない。そういう運命なんだとか、そんなかっこいいこと言ってみたいけど。
「おい、真面目にやれ」
ツンとした冷たい目線。冷たい声音、言葉。
いつものこと。
なのに、こんなこいつのどこが好きなんだ?って本当はオレだって考えたことはある。
「真面目にやってるってばよ。お前が教えてくれねえだけだろ」
「教えてるだろうが、何度言っても分からないお前が悪い」
「そんなこと言わずにさぁ!ここ!教えてくれってば」
どこが好き?
白い肌?
きれいな黒髪?
吸い込まれるような目の色?
「聞いてるのか、ナルト」
答えは多分、ぜんぶ。
「聞いてるってばよ。じゃあここは?」
ノートの上を滑る指先。ワケ分かんねえ公式だってサスケの声なら覚えられる気がする。
でもやっぱ勉強よりもなによりも、もっと近くで。もっとそばで。
「…………、」
勝手に近寄れば触れる肩口。くっつくかくっつかないか、そんな歯痒い感じが余計胸の奥をくすぐって。
「…ナルト」
「なに?」
「…近い」
小さく聞こえた声、見上げればすぐそばでサスケの瞳と目が合った。
トクンと心地良い鼓動が揺れる。
抑えようにも、抑えられそうにない…かも。
だって目が合ったサスケを見ていたら、だんだんにほんのり。その白い肌が赤く染まっているから。
「近い」
「いいじゃん、別に」
「…ふん」
「サスケ、」
「なんだ」
「ちゅーして、いい?」
近いと言うわりに、離れないサスケが可愛い。
可愛いから、もう勉強どころではない(っていうのはただの言い訳)。
何も言わないサスケの瞳が一瞬だけ丸くなった気がしたけれど。
「サスケ…」
もうオレにはサスケしか見えなかった。とか、女みてぇだけどホントの話。目を見開いたサスケに気付かないふりをして唇をくっつけたら、その目がだんだん閉じて行ったのを合図に。
滑らせる舌先でサスケの口内を感じて。
もう勉強なんてやってられるかってばよ。
思いながら、やっぱりサスケのぜんぶが好きだと感じずにはいられなかった。
いつだって、好きです咳払いが聞こえてびくんと跳ねたお互いの体。
恐る恐る振り向けば、ここ図書室なんだけど、と言わんばかりの冷ややかな目が飛び込んできた。
「お前…何しやがるこんな場所で」
「へー?サスケだって気持ち良さそうな顔してたくせに」
「うるさい!早く勉強しろ!」
「へいへい、分かりましたってばよーっと」
笑いながら答えたけど、耳まで赤くするサスケは誘ってるんだろうかとさえ思ってしまって。
オレはまた耐えるのかと思うとそれはそれは勘弁して欲しいってばよ、と小さく願った。
end
▽ナルサス/学パロ
という設定でした!
こたつで勉強中の…とリクエストしてくれたのに季節外れになってしまったため図書室に勝手に変換ごめんんん!
そして妙に受け受けしいサスンでし^q^ちなみに冷ややかな目線を送ったのはカカシ先生ですもちろん(笑)
素敵なリクエストありがとうございました☆
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