知らぬ間に寝てしまったようだ。日差しが弱いわけでも強いわけでもなくちょうどいい温かさだったからか。
はたまた、心地いい場所にいるからなのか。


「起きた?」


まだ寝ぼけ眼の瞳を薄く開いてみれば優しい微笑み。ふわふわとまだ夢の中にいるんじゃないかと思ってしまうほど。それと一緒に彼女の優しい指先が静かに俺の髪を梳くように撫でた。

「よく眠ってたね、疲れてる?」
「んー。お前の膝枕、気持ち良くて」

あくびをしながら答えればくすりと笑った彼女がかわいいと言った。
それは俺の台詞でしょ、呟けばすぐにほんのり赤くする頬。

それを見てしまえば、もっと恥ずかしがっている顔が見たくなってしまって。どうやらその顔は俺のお気に入りらしい。

「なまえ、お前の膝枕、家の枕よりいいね」
「言いすぎ。あのベッドの枕にはどう考えたって勝てないよ」
「そんなことないよ。俺がこんなに熟睡するなんて珍しいでしょ。どうなってるの、お前の枕」

言いながら、伸ばすように投げ出された目の前の彼女の脚をつっとなぞるように触れた。

「カカシ、くすぐったいよ」

スベスベの膝付近を撫でればクスクスと笑う彼女。どこまでその余裕が続くかな?なんて思いながら今度は太ももへと移動した。

「カカシ…くすぐったいってば」
「そのわりに気持ち良さそうだけど?」
「そんなことな…あっ、」

太ももの内側に指先を滑り込ませれば、すぐに小さく艶めかしい声が聞こえた。その声に自分でも驚いたのか、ピクリと動いた肩と一緒にじわじわと顔を赤らめる彼女。

「…や、カカシ、外だから…」

嫌と言われると止められなくなって。
その顔を見せられると、もっと見せて、と生まれる欲望。

「カカシ…っ」

だけど今回はこの辺でやめとこうかな、なんて思ったのは彼女の目尻が少しだけ濡れ出していたから。耳まで赤く染めた彼女を見れただけでも満足だ、なんて。そんなことを言ったら嫌われてしまうかもしれない。

「なまえ、ごめーんね。もうしないから」

日の光で煌めく彼女の目尻にそっと触れればふぅと安堵したような表情を見せた。そんな彼女もまた可愛くて少しだけ上体を起こして彼女に近付いた。

「ねえ、口布外して」

言えばきょとんと首を傾げて、だけどやっぱり恥ずかしいようで俺の口布に伸ばした手が少しだけ震えている。

「震えてるよ」「恥ずかしいよ…」
「ふふ、可愛いネ」

さっき彼女が言ったことを同じように言ってみれば、とうとう真っ赤になって俯いてしまった彼女のあごに触れて。

「その顔、誘ってるでしょ」

もしも彼女が誘ってなんかいないとしたって、当然こうなるんだくせに…と心の中で自分を嘲笑しながら。
その愛らしい小さな唇に欲望を孕んだ俺の唇を押し付けた。



溶融したのは片隅の理



誘ってる?だなんて俺がただ、お前に溺れているだけなんだろうけど。そう言わずにはいられないほど誘惑される気分にさせられるんだ。



end.




▽カカシ/微裏/膝枕
という設定でした!
本当に軽い微裏な上、カカシが変態ちっくですみません^^;
素敵なリクエストありがとうございました☆



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