*現パロ、ちょっと若め設定





そういえば付き合ってから結構経つけれど、最近は何もプレゼントとかしてやれてないな、と思い立ったのは突然で。
今日ちょうど一緒に出掛けたついでに店先で見つけたリボンをプレゼントした。

リボンなんて子供染みているとは思ったけれど、当の本人はそうでもないらしくとても喜んでくれた。

「リボンなんてあたしに似合うかな?」
「その童顔に似合わないわけないじゃない」
「それ褒めてるの?」

ぷっくり頬を膨らしているわりにすぐににっこりと嬉しそうに笑う。
買ったときからその包みものを落ち着かない様子で眺めていて。

お前…ガキじゃないんだから。

言おうとしたけれどあまりにも嬉しそうだったから今日のところやめておいた。
俺自身、悪い気はしなかったしね。

「ね、カカシ!開けていい?」
「え、こんなとこで?」

人が溢れる街中なのに?
そう続けようと思ったけれど、瞳を輝かせている彼女に根負け。
ちょっと人通りの少ない場所に移動して、もう我慢ならないかのように急いで包み紙を開ける。
そこから出てきたリボンをこれまた瞳をきらきらと輝かせてから見詰める始末。

若干、親戚の子供を見ているような感覚に捕らわれてちょっと苦笑いをしていたけどそんな俺を見事に裏切ったのはきらきらに輝かせた瞳以上に煌びやかな彼女の笑顔だった。

「カカシ!どう?似合う?」

きゅっと結ったてっぺんでリボンの紐が可愛らしく垂れていて。
色ばかりはと大人めの色を選んで正解だった。
淡いベージュと茶色の優しさが彼女にとても似合っていて。

「ねえ似合う?リボン可愛い?」

いやいやリボンどころか…。
口を開きそうになったのを必死にこらえたのは照れくさいから。
素直に可愛いよ、って言ってあげればさらに彼女は喜ぶことは分かっているのにそんな素直さは今となってはどこに置いてきたのやら。

「ねえカカシー、似合わない?もしかして」

何も言わない俺に不安になったのか心配そうに言った彼女に。

「いや、似合ってるよ」
としか言えずに、その代わりに微笑んでみたら彼女はほんのり頬を染めて。

「うれしい、ありがとうカカシ」

そう言ってまたにっこりと煌びやかな笑顔を見せて、嬉しそうにリボンを撫でた。
その仕草が可愛くて、だけどそれは言葉に出来ないから、

「ほら、行くよ」

きゅっと何か息苦しくなった心臓には悔しいから気付かないふり。
彼女のちいさな手を握って指を絡めたら、彼女はあの笑顔のまま俺の手を握る。

「手なんて繋ぐの珍しいね」
「お前すぐ躓くでしょ」

嫌みで言ったのに、ふふって隣りで笑う彼女。
どうやら全部見透かされているらしい。
ときめく

end.




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