「‥‥はぁ。
 何か妙に疲れた‥‥。」

親友宅を後にし、足取りも重くとぼとぼと自宅への帰路を辿る。
乙女の優雅なティータイム〜
‥のはずが、立て続けたリーシャの炸裂弾投下のおかげで、すっかり 寄席騒ぎ になってしまった。

「もう‥。
 誰よ、郵便館なんかで あんな話 持ち出してきたのは‥」


「‥あんな話 とは、何の話だ?」


「‥!」

不意に聞こえてきた男の人の声。
振り向けば、そこにはジギーがいた。

「ジギー‥」


  帰って、きてたんだ‥


「‥どうした。疲れた顔して」

心配そうな顔をして、私の隣へと歩いてくる。

「ううん‥何でもない。
 ‥‥ジギー、どうしてこんなとこに?」

無意識に口を突いて出る 小さな疑問。

「お前の家に行く途中だ」

‥嬉しい答えが、返ってきて。

「‥‥ふふっ」

「‥‥? 何が可笑しい」

顔も、心も声もほころんだ。
そんな私を前に、不思議そうな面持ちをするジギー。


  ‥可笑しい んじゃなくて、嬉しい のよ。


「何でもない。
 ‥‥‥おかえりなさい」

そっ‥と寄り添い、彼の腕をとる。

「‥? おかしな奴だ」

「あ‥‥」

甘い声で笑うと、私の腰に腕が回される。

「ジギー‥ここ、夜想道の往来よ‥」

「構わん」

「もう‥」

そうして、私たちは歩いた。
明けも暮れもしない澄んだ闇と足元を照す橙の街路灯の元を、安息の巣箱へと向かって‥。


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