「何で…?」

ベッドでうつ伏せに倒れ込み、枕に顔を埋める。頭に浮かぶのは、楽しそうに笑い合うゴーシュとリリィの姿。

ゴーシュは言っていた。今日は僕が誘った、と。恋人の私が仕事している間に、私に内緒で親友とお出かけするなんて…。

「…あれ?」

そこまで考えた所で疑問がよぎった。今日、ゴーシュってお休みだっけ?確か、この前会った時は仕事だと言ってたよね。

「まさか…」

有給を使ったとか?仕事大事なあのゴーシュが、リリィとお出かけするためにわざわざ有給を使うとは考えづらいけど、そうでも考えないと、今日ゴーシュが休みな事が説明つかないよ。

「何で、わざわざゴーシュが休み取って、リリィとお出かけしてるの…?」

やるせなくて、涙が溢れてくる。私の事、もうどうでもよくなっちゃったの?私は今でも、こんなにゴーシュの事が大好きなのに。ゴーシュはリリィの方がいいの?

「僕はこれからリリィと付き合う事にしました。リーシャとは、もうおしまいです」

「という事で、リーシャには悪いけど、これからゴーシュさんとお付き合いするね」

ふと思い浮かんだ想像に、自分の顔からさーっと血の気が引いていくのが分かった。

「そんな事になったら、私、生きていけないよ…」

でも、ゴーシュがリリィを選ぶのもしょうがないかもしれない。だって、彼女は強くて優しくてとても魅力的だもの。ずっと親友をやってきたから、彼女の良さならよく分かる。ゴーシュがそんな彼女を選ぶんだったら、私にどうにかできるはずもない。彼女に勝る要素なんて、私には何もないんだから…。




*****☆*****☆*****

ゴーシュさんとお付き合い、か。
確かに、彼なら好配よね。
お仕事も優秀で、凄く優しいし。
とても大切にしてくれそう。

   from リリィ・フォルトゥーナ

Tue.16.Nov.2010
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -