リーシャは、テガミバチを目指す者が受験する面接試験―‥実際は、国家公務として適応されている 郵便配達そのもの なのだが‥―にて、受験者の監視員を務めていたテガミバチ、ゴーシュ・スエードに一目惚れをした。
そんな出遇いの馴れ初めや、彼への熱い想い、なかなかに振り向いてくれない彼へのジレンマ などはちょくちょくと聞いてはいたのだが。

好きな人をオトす、恋のテクニックを教えろ―‥

いくら彼に相手にされないとはいえ、なんともまぁ、ぶっ飛んだ “お願い” だ。

「――――で。」

リリィは既に冷めつつあるお茶を飲みながら、言う。

「‥なんで それ を、私に聞くわけ?」

「だって リリィ、恋の達人じゃん!!」

「‥‥‥は?
 ちょっと待ってよ。
 いつの間に私が 恋の達人? とやらになったのよ?」

「いつの間に、って‥
 クールで無口でカッコいい、みんなの憧れの“あの”ジギー・ペッパー がリリィのこと選んだんだよ!!?!
 今まで誰が あたっく しても振り向かなかった、女泣かせな人なのに!!
 しかも、ジギーはセントラルにほとんど帰ってこないのに、恋模様も じゅんちょー みたいだし!!
 二人の あつあつっぷり も素敵過ぎるし!!!
 これを 恋の達人 と言わずして、何と言うのっっ」

ずずいっっ と半身を乗り出し、興奮しながら機関銃のように言葉を撃つ。

「‥‥ジギーが、って‥。
 ほら、あの人、不器用だから。
 本当はすごく優しい人なの。
 解りづらいだけなのよ。」

「だから、それ が解っちゃうから、解った上で あぁんなこと とか こ〜んなこと までしちゃってるから、リリィは 恋の達人 なんだってばっ」

「‥あぁんなこと とか こ〜んなこと、って、、」

リーシャの猛進かつ妄信的さがおかしくて、つい苦笑いを溢す。

「相変わらずね、リーシャは。
 ‥‥解った。
 役に立つかどうかは解らないけど、少しお手伝いしてあげる。」

「本当!!!?!」

「た・だ・し!!
 お手伝いする“だけ”だからねっ
 肝心な事は、ちゃんと自分でするのよ?」

「‥‥‥うっ‥。」

「じゃなきゃ、手伝ってあげない。
 人に頼ってばっかりじゃ、何の意味も成さないんだから、ね。
 ‥解った?」

「うぅ‥‥努力します。」

「‥じゃ、お手伝いしたげる♪」

渋々と観念したリーシャに、承りました とウインクを投げ掛ける。

「ありがとー!! リリィ!!!」


「いえいえ。
 ‥じゃあ、さっそくだけど、まず彼の――‥」


そんなこんなで始まった、恋の達人:リリィの恋指南。
リーシャの熱い想いは、ゴーシュ・スエードに届くのだろうか。





*****☆*****☆*****

桜色の飴玉さまへ献上したリクエストのコラボもの。
序章 ですけど(をぃ
ずうぅうぅっと放置ぶっこいてたイマサラUPなんで、彼女のサイトで読んだ方も多々いらっしゃるかと思います(屍)
因みに、リクエスト内容は、ゴーシュを手玉にとるリーシャ嬢。

まぁ‥余談ですが。
リアルに使える恋テクをベースに書いてるので、エッセンスは そこ かな。

Tue.12.Oct.2010
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