「寒いか?」
「寒い」

ぐりっと真田の方に体を寄せる。
何度目か分からないけれど、真田が嫌がらないからよしとする。
エアコンは入っているのに体の冷えはなかなか取れない。
歩いてきたという真田にくっつけば確かに。

「真田、もっとぎゅってして」
「あぁ」

圧縮されるみたいになって気持ちがいい。
押しくらまんじゅうのようだ。
ふ、と真田と目が合った。

「血行が悪すぎだ」

ふいにキスをされ気づく。
きっとまた唇が紫色になっていたに違いない。
長くて長くて酸素が足りなくなるくらいまで熱いそれとキスをした。

「暖まったか」

つい、と唾液の糸が引いた。
どっくりどっくりと大きく心臓が鳴る。
冷たすぎたのか、氷が溶けるみたいにじわじわと指先が解れていく。
きっとこれが暖まったってコト。
だけど、

「まだじゃなぁ」

もっと暖めてくんしゃい。




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