今日も青汁が旨い。
幸せに青汁を飲み込んでいたはずなのに、目の前の光景に少し胸焼けした。

「仁王くん仁王くん」

聖書よ、その緩みきった顔はなんとかならんのか。

全国大会で東京にきてからずっとこうや。
白石の仁王好きは、まぁ言ってしまえばストーカー並み。
大阪でも感じていたのに、これまでとは。
財前なんかはげんなりした様子であれを眺めとった。

日陰で昼寝中の仁王に話しかけている最中らしい。
さして近くにいないからか、細かいところまでは見えない(見たら見たで白石にどやされる。)が、まぁ綺麗な顔しとるよな、仁王って。肌しっろー。

「寝とるんか?」

規則正しく動く胸の辺り。
白石もそれを確認したのか、ふんわりそれはもう愛し気に微笑んで。

「うっわ」

俺は、聞こえないくらいに声を出した。

ベタや、ベタベタや。

額にゆっくりキスをしていた。
俺に気づいていなかったのか、満足そうにその場から離れていった。
この気持ちどうしてくれよう。
放心状態ってのはこのコト。
ぼやぁ、とその背中が見えなくなるまで目で追っていた。
完全に見えなくなってから寝こける仁王に目を移す。
猫が顔を洗うみたいに腕がその顔を隠していた。
やけどなぁ、

「真っ赤やん」

今度は仁王にも聞こえないようにもっともっと声を小さくした。
もそもそ動く仁王を横目に見ながら青汁を飲んだ。

今日の青汁はなんだか苦い。








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