※エロ?








空き教室の扉をあけると、案の定の光景が広がっていた。

「綺麗じゃろ?」

妖艶に笑う仁王くんの、額や胸に浮かんだ汗は綺麗だと思えるけれど、ソコから匿いきれなかったかのように顔を見せる精液には吐き気がした。(腹の上に広がる彼のそれは素直に綺麗だと言えるのに。)

彼を犯そうだとか泣かしてやろうだとか思わない訳ではないし、どちらかと言えばそうしてやりたい欲求にまみれている。
ただ私のそれだけで満足できない仁王くんは何回も何人も同じように彼を求める輩を受け入れる。

緩慢な動きで精液を掻き出し始めるのを何故か毎回見てしまう。

「ん…、っ、」

色っぽい艶っぽいその声につられるように思わず一歩だけ足が前に出た。(そこから先には言っては行けないと頭の中で必死で止められた。)

「や、ぎゅ…、どきどき、する…?」

にやり、
掻き出す手を止めずにこちらに視線を寄越す。
返事をする前に聞いた本人が高らかに声を上げて絶頂を迎えてしまった。



引き締まった腹にかかる精液を拭い取ってから乱れた制服のまま机に寝そべる彼の横にただ立っている。

「真っ直ぐ歩くのは大変じゃよ」

クツクツ、と天井を仰ぎながらそう言い放った仁王くんの言う通り。
色んな人間がかけた蜘蛛の巣の、縦糸だけを器用に器用に彼は歩いている訳だ。
何個も何個も重なった蜘蛛の巣の、粘り気のない縦糸だけを正確に選って歩いている。
バランスを崩すとあっという間に引っ掛かった巣の持ち主に食べられて終いだろう。
いつから壊れたのかは知らないけれど、スリリングと言うにはあまりにも度胸だめしに近すぎた。











眠かった。


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