※成人済、同棲設定










「おかえり。ご飯にする?お風呂にする?それとも、俺に す・る ?」
「飯を食おう」
「カス」

おーおー、おっそろしきKYである。おっそろしきKYである!
飯もできてる(早く帰ってこれた)。
風呂も焚けてる(俺もさっさと入りたかった)。

それにしても。
それにしてもだ。

「空気読め」
「なんだ、飯はないのか」
「ある」
「いただこう」

堅物だ。
こう、少しは。こう、なんていうか。
こう、ノッてほしかった訳だ。



最近は仕事が忙しくて中々早く帰って来れなかった。
こうやって出迎えるのだって久々だったのだ。
ちょっとくらい幸せ分けろ。
そう言いたい。

スーツのジャケットと鞄を受け取って先に玄関を後にした。




電気をつける必要もないだろう。
開けっぱなしのドアからの光を頼りにクローゼットを開けて、ハンガーにジャケットを吊るす。
唐突に、ぬっ、と延びてきた腕に体の自由を奪われる。
突然のコトに、ひゅ、と心臓が持ち上がった。

「な、なに…っ」

どくんどくん、心臓が大きく鳴る。
くるりと体を反転させられて、向かい合う。
あぁ、部屋が暗くてよかった。
顔が、熱くて熱くて堪らない。

「忘れ物だ」
「え?」
「ただいま」

優しく頭を撫でられて思わず目を細める。
そういえば仕事が忙しくなる前には帰ってくるのが嬉しくて飛び付くように抱きついていたっけ。
不審がられたもんだから、その時は口から出任せに、おかえりのハグじゃよ、なんて言った気がする。
ゆるゆると腕を背中に回して、それから、キュッと力を入れた。

「…おかえり」
「ただいま」

ぐりぐりとその肩に顔を埋めながら、早くドキドキが止めばいいと思った。

















本当はいい夫婦の日につくっt(ry

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