※コスプレ




今年の出し物はコスプレ喫茶で決定。
そう言い放った時の仁王の顔が忘れられない。

「なんでじゃ…!」
「コスプレ喫茶だって言っただろ?」
「だからって…!」

真田には武士の格好、柳にはギャルソン、赤也は某ゲームのキャラクター、柳生は医者、丸井はコック、ジャッカルには民族衣装を渡した。
みんなに似合うように選んだ。
そして、

「やっぱりよく似合うよ、それ」
「なんで俺だけスカートなんじゃ!」

目の前で憤る仁王にはリクルートスーツ。
もちろんそれは、女物。
線が細いんだからいいじゃないか。
タイトスカートがえろっちいったらありゃしない。

「可愛いよ?」
「…嬉しい訳ないじゃろ」

ドン引きしたのか、後ろに一歩下がる仁王の足元で、一緒に用意してあった黒のパンプスがかつん、となった。
あー、エロい。
肩を思いっきり押せば、慣れない足元のせいか簡単に転んだ仁王の近くにしゃがみ込む。
あ、スカートの中丸見え。

「こ、こら!覗くんじゃなか!」

ばたばたと暴れても、ぴったりとくっつくように張り付くスカートのせいで起き上がろうとすると、ころんと転がった。

 エ ロ い ん だ っ て ば 。

白い肌の上に張り付くストッキングに爪を立てる。
ぶつっ、なんて嫌ぁな音がして穴が空いた。
指をねじ込むとそこから伝線。
ストッキングの色が少し濃すぎたかな。
ぽっかりと白いそこにキスを落とした。
うん、とってもいい。
あと気になるのは、

「ゆ、幸村…!」
「あぁ、動かないで」
一応用意していた裁縫道具の中から裁ちばさみを取り出してスカートを切るために、足と足の隙間に入れた。
銀色が冷たかったのか、びくり、と跳ねた体を抑えつける。

一裁ち、
思っていた以上に鋏は大きくて、1/4ほどの切れ込みができた。

一裁ち、
今度は小さく鋏を入れた。

抑えつけている体の尋常じゃないほどの震えを感じて、その顔をみやれば、

「、や、やじゃ…やじゃぁ…っ!やめてくん、しゃい…!」

ぼろぼろと泣き出していた。まったく。
鋏を置いて、切れめが入ったスカートを左右に引っ張る。
布が裂ける音と泣き声しか聞こえなかった。



後から聞くと、その時俺はたいそう悪い顔をしていたそうだ。
失礼なヤツ。


(「はい仁王、新しい衣装」「…チャイナドレス」「何か文句でもあるのかい?」)





あ、すみませんでした。


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