※小スカ













「止めてくれんか」

声をかけてみたはいいけれど、その視線が離れるコトもなければ、その場から立ち去ってくれるコトもなかった。

学校行事の打ち上げの帰り道。
外は真っ暗だし、時間も中途半端に遅いもんだから、パトロールのお巡りさんも酔っ払った社会人も、ましてや同い年やいつもここを使うはずの子供なんかも通らない。
公園のぼろっちい公衆トイレ。
丁度幸村のクラスと打ち上げ場所が被ったのをいいコトに二次会に出ない言い訳に幸村と帰路に着いた。
家が少し遠いのも事実だし、同じ方向だと言えば引き留められたものの案外あっさりその場から離れられた。

問題は打ち上げ場所が飲み放題だったコトだ。

もちろん健全にソフトドリンクだった訳だが。
スペースの真ん中に入れられてしまっているから出るに出られなかったのだ。
下手に喋らないから飲み物のペースがやたら上がった。(食べ物はそこそこ。腹いっぱい。)
ガバガバ飲んでいたからか、帰り道の途中でいきなり膀胱が膨れはじめて焦る。
ドボドボとまではいかないまでも確実に下腹部に意識が集まっていくのは分かった。
上手く家まで辿り着ければ一番なのだが、生憎まだまだ家までは遠い。
目に入ったトイレに行くからと幸村に先に帰ってもらおうと思えば腕を引かれて個室に押し込められていた。



肩を押されて尻餅を付くように洋式の便座に腰掛けると、スラックスと下着を一気に取られた。
両膝を大きく外に開かされて、一気に晒されたちんこは、そりゃあそうだ。
垂れ下がったまま。

「漏れそうなんでしょ?早くすれば」
「するから出てってくれんか」
「いやだ」

見上げた幸村はトイレの電気のせいで表情がよく見えなかった。
ズクズクと競り上がってくる尿意をなんとか押さえながら幸村説得を試みる。
何度何回言っても幸村は出ていってはくれない。
その間も膀胱はどんどん膨らんでいく。
頭が上手く回らないほど意識がそっちにいく。

「幸村、はよ、出てって」
「見ててやるから出せばいいよ」
「見られとうない…」

きゅうっ、と膀胱が限界を訴え始める。
押し問答。埒があかなかった。
ズクズクと襲う尿意。
だめだ、

 漏 れ る 。

仕方なしに前屈みになって幸村からちんこを隠、

「前屈みになんてなったら見えないじゃない」

一括りに両手首を掴まれて頭の上で縛られた。パワーS。
タンクの上に荷物掛けのあるこのトイレ。
フックに縛られた手首を引っ掛けられればもう前屈みにはなれない。
隠せなくなったちんこは幸村に丸見えで、もう我慢出来ない尿意に羞恥心から涙が出た。
尿道を通って、ツッと我慢していたそれが顔を出す。
あとは決壊するだけだった。

陶器の便器にビシャビシャと音をさせながら無様に尿を叩き付ける。
座ったままの放尿のせいか、くすんだタイルの床もビショビショになった。
後悔するくらいに長い放尿。
止まらない。尿も涙も止まらない。
なんて痴態だ。



チョロチョロと勢いがなくなってようやく羞恥の行為が終わった。
涙でグシャグシャになった頬に幸村の頬が当たる。

「最高に可愛かった」

耳元でそう囁かれて抱き締められるけれど、生憎俺には漏らした尿の上で抱き合う趣味はなかった。










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テーマ「人外ファンタジー」
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