少しだけ堅い指先にキスをする。
「こそばゆいとよ」
「んー」
ちう、とバードキスを繰り返す。
ささくれ立った爪の辺りなんて堪らない。
うーん、いい。
「やめなっせ」
「んー、」
頭の上で千歳がケラケラ笑っているのが耳につく。
中指に吸い付いた。
節ばってて、実はこれが当たると痛い。
こつん、なんて骨と骨とがぶつかる音を思い浮かべる。うん、いい。
「ベトベト」
「んー、」
軽く歯を立てた。
柔らかくない指の腹には上手く立たないから丁度いい。
「なぁ、ちゅーは?」
「うっさいのぅ、今しとるじゃろ」
ほんとちょっと強めに歯を立てると、あいてっなんて声を出した。
ふふふん、いい気味じゃ。