※成人設定





バイク欲しい。

そういうととんでもなく嫌な顔をされた。
なんでじゃ。

「…免許は」
「持っとらん」
「話になんねぇ」

鼻で笑われて終了。諦めるもんか。

なぁなぁいいじゃろーかっこよかもんーなぁなぁなぁなぁ、

「買わねぇ」

あっさり切り捨てられてしまった。しょんぼり。
ちゃりん、なんて音座したから顔をあげると亜久津が玄関から出ていくところだった。
うわぁっ、

「どこ行くんじゃぁ」
「買い物」
「俺の話はまだ終わっとらん」
「買わねぇもんは買わねぇ」

閉まりかけたの扉の隙間から亜久津を追って出る。
オートロックだから心配ない。
亜久津のバイクの鍵に部屋の鍵が付いているから、借りればまた戻ってこれる。

「バイク買いたいんじゃぁ」
「駐輪場もかかんだろ」
「欲しい」
「買わねぇ」

エレベーターの中は2人だけだった。
欲しい欲しいと強請りまくっているといつの間にか駐輪場。

「亜久津ぅ…」
「買わねぇ」

さっさとバイクの準備。
亜久津のいけず、けちんぼ、分からず屋。
少しくらい裏の裏を読んでみんしゃい。
亜久津とツーリングがしたいからなんて恥ずかしくて言えないんだから。
うーっと唸っているとメットを投げられた。

「なに」
「乗れ」
「なんで」
「夕飯作るのはてめぇだろうが」

主婦!なんて思いながらメットを被って後ろに跨がった。
ぶるん、とバイクが沈む揺れる。
亜久津がメットを手に取った。

「てめぇは、2ケツで充分だろうが」

悪態混じりに言われた台詞だったけれど俺にはときめき要素しかなかった。












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