※成人設定



柳は何故かいつも運転席の真後ろに座る。
疑問をぶつけると男二人が並んでいたら気味が悪いだろうと言われた。
真田も幸村も助手席に座るけど、なんて言えなかった。
外車なんてお高いものは買えないから右ハンドル。
車道に送り出す訳にも行かずにいつも車の通りが少ない道で柳を降ろす。
昼間の路地には人も少なかった。

「いってらっしゃい」
「あぁ、ありがとう」
「帰りは?」
「あまり遅くならないように帰る」
「ん。明日早番じゃあないから待っとる」

運転席の窓を開けながら話す。
柳が帰ってくるのが早いなら何か料理でも作ろうか。
冷蔵庫に何かあっただろうか。

「仁王、」
「ん?」

柳に呼ばれて冷蔵庫の幻想が消えた。時だった、綺麗な顔が0距離。
キス、された。

「いってくる」

うっすら笑って颯爽と駅に向かう背中を見送る。
や、

「やられた…」

ぐでん、とハンドルにもたれ掛かると勢い余ってクラクションが鳴った。










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