※ストーカー被害にあう仁王くん 続編、異常愛







床に押し付けた仁王が愕然として俺を見てるのだけは分かった。
だけど、他のコトはなにひとつ分かんねぇ。

「なんで手紙捨てるんだよ」

なんで手紙を燃やすのか。

「なんでちゃんと読まないんだよ」

なんで俺の気持ちを読んでくれないのか。

「なんで俺だって気付かないんだよ」

なんでストーカーが俺だって気付かないのか。

「なんで、」

怖いのかなー。
零れた涙を指で掬って、もしも形があったならば消えてなくなるように指を強くぶつけた。
一粒人差し指に乗っていた涙は粉々に砕けてそこら中に散らばった。
もうどこにあるかなんて分からない。

「こんなに無防備なんだよ!」

あー、面白い。
仁王が全て理解したのも、信じたくないってのも、信じてたのにって言おうとしたのも、全部手に取るように分かった。
手に取るように、分かった。
手に取るように、分かるのだ。

「なぁ仁王、今どんな気持ち?」
「仲間にストーキングされて、どんな気持ち?」
「信じてた奴にストーキングされて、どんな気持ち?」

だんだんと仁王が壊れていくのが、分かる。
せっかくシリアスにかっこつけようと思ったのに、耐えきれない笑いが漏れる。
仁王が壊れていくのは楽しくて、面白くて、可愛くて、

「なぁ、」

あーもうこれは、

「今からお前のコト監禁するけど、どんな気持ち?」

手放せなくなっちゃった。















フォロワ様からリクいただきました。ありがとうございます!


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